文部科学省のあべ俊子大臣は、2025年9月9日の記者会見で、「ユネスコ世界ジオパーク」に山口県の「Mine秋吉台」が認定勧告を受けたことを発表した。「調整授業時数制度」の導入に向けては、2026年度から新たな仕組みの創設を検討していると明らかにした。
9月5日から6日にかけてチリで開催された第10回ユネスコ世界ジオパーク・カウンシルにおいて、日本から申請していた山口県の「Mine秋吉台」の認定勧告が出された。2026年春のユネスコ執行委員会での承認を経て、正式に認定される予定。また、原則4年ごとの再審査で、糸魚川、島原半島、隠岐、伊豆半島の4地域の再認定が決定した。
あべ大臣は「ユネスコ世界ジオパークに世界中の多くの人々が訪れ、その魅力に触れることができるよう地方自治体の取組みにしっかりと協力をしてまいります」と語った。
次期学習指導要領に関しては、「調整授業時数制度」の導入に先立ち2026年度から、研究開発学校の取組みなどを参考にしながら、すべての都道府県・政令指定都市の一定数の学校で教育課程の柔軟化を施行できるまで、新たな仕組みの創設を検討していると明らかにした。制度導入時には、柔軟な教育課程編成に円滑に取り組める環境をしっかり整備していきたいとした。
高等学校授業料無償化については、2026年度予算編成過程での実現が目指されている。文部科学省として、3党の実務担当者による協議結果を踏まえ、2026年度高校等へ進学する生徒が安心して進路選択ができるよう、速やかに対応できるよう必要な準備を進めていく考えを示した。
教師の業務の持ち帰りや学校における働き方改革については、改正給特法に基づき、教育委員会に業務管理計画の策定を求めている。文部科学省として、業務の適正化や教職員の定数改善、支援スタッフの充実、業務の持ち帰りは原則行わないなどの方針を示しており、学校における働き方改革を推進する考えをあらためて表明した。
このほか、石破茂総理の退陣表明について、あべ大臣は「個人的には大変残念に思っているが、総理の考えを尊重したい」と述べた。石破内閣の文部科学大臣としての職務を全うする意向を示した。