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子供の特性を8タイプに分類「First GROW」提供開始

 Institution for a Global Society(IGS)は2025年7月28日、未就学から小学校低学年の子供を対象とした「気質(生まれもった特性)」測定の新サービス「First GROW」の提供を7月より開始すると発表した。

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 Institution for a Global Society(IGS)は2025年7月28日、未就学から小学校低学年の子供を対象とした「気質(生まれもった特性)」測定の新サービス「First GROW」の提供を7月より開始すると発表した。

 同サービスでは、保護者や保育者がスマートフォンなどで回答するアンケートを通じて、子供の特性を8タイプに分析し、施設向けと保護者向けの2種類のレポートを提供する。レポートは、園や家庭、学童・習い事教室などの現場に応じた形式で提供。それぞれの視点にあった情報を整理しつつ、双方が共通の理解をもつことで、子供にとって安心・安全な育ちの環境づくりにつなげるとともに、子供の特性に応じた声かけや接し方のヒントを届け、子供の育ちを一貫して支える「チーム保育」の実現を支援する。

 子供の行動を「良い・悪い」で評価するのではなく、その奥にある特性を科学的に捉える視点を提供する。たとえば「落ち着きがない」は「好奇心旺盛」、「人見知りが激しい」は「慎重で観察力が高い」など、子供の行動の背景には生まれもった特性が影響していることがある。生まれもった特性という「その子らしさの原点」を理解することで、先生や保護者が、子供の可能性を引き出す関わり方を見つけられるようになる。

 保育園・幼稚園等においてベテラン職員が培ってきた「子供を見る力」は、多くが経験に基づいた暗黙知である。「First GROW」は、その暗黙知を形式知に変え、チームで共有可能にする。特に経験の浅い若手職員や中途入職者、パートタイムスタッフにとって、「First GROW」は「子供理解のベース」として活用できる実践的なツールになるという。

 アンケートの開発は、非認知能力の専門家である中山芳一先生が監修し、リズム学園のあいおい子ども園・フォーマザー保育園・フォーマザー西立野保育園・三宅町立三宅幼児園の4園が実証協力した。4園では、3~5歳児クラスの保護者にアンケートを実施し、その結果をもとに特性のタイプ分類を行い、園と保護者にレポートを返却。レポートの妥当性や有用性をヒアリングしている。

 村松良太園長は「園児の特性を可視化できたことで、保育の方向性や保護者との対話の質が高まりました。若手職員への指導にも役立ち、クラス編成や人員配置にも応用が利くと感じました」とコメントしている。

 サービス提供対象は、保育園・幼稚園・学童・習い事教室などの保育・教育施設だけでなく、子供向けサービスを提供する事業者(レジャー・スポーツ領域等)にとっても、子供の個性にあった体験・遊びの提案の基盤として活用できる。IGSは、今後も現場の声を反映しながら、各施設に適した支援コンテンツの充実や、保護者向けフィードバック機能の強化などを進めていくとしている。

 サービスの価格は、目安として1施設あたり10万円から、詳細は問い合わせが必要である。

《風巻塔子》

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