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採用と大学教育の未来、卒後就活も視野に…経団連が報告書

 日本経済団体連合会(経団連)の「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」は2025年5月9日、2024年度報告書を公表した。就業体験をともなうインターンシップは着実に拡大したと評価。最終年度までの6年超にわたる活動を総括している。

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「採用と大学教育の未来に関する産学協議会2024年度報告書」
  • 「採用と大学教育の未来に関する産学協議会2024年度報告書」
  • 活動総括「採用」「インターンシップ」
  • 現状・課題
  • 2030年に向けた採用のあり方

 日本経済団体連合会(経団連)の「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」は2025年5月9日、2024年度報告書を公表した。就業体験をともなうインターンシップは着実に拡大したと評価。最終年度までの6年超にわたる活動を総括している。

 「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」は、国公私立大学と経団連の代表との間で率直な意見交換を行うための継続的な対話の場として2019年に設置。これまでSociety 5.0人材の育成に向けて、産業界が求める人材像や採用のあり方、大学教育への期待などについて、継続的に意見交換を行ってきた。

 2024年度の報告書では、これまでの活動を総括。就業体験をともなうタイプ3の「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」の実施例については、「着実に拡大している」と評価した。一方、就職活動の早期化・長期化の傾向には改善が見られず、逆に拍車がかかったとの指摘もあったという。「タイプ3はマッチング精度を高める機会であり、採用選考そのものではない」という産学協議会の基本的考え方を学生・企業・社会の間でさらに浸透させることが課題、と活動を振り返った。

 2024年度は、産学が検討を深める課題として合意した「さまざまな選択に対応可能な採用」と選択の多様化を実現するための「キャリア教育のあり方」の2点についてより深く検討。卒後就活(既卒採用)や卒業・修了年度における秋・冬採用をを前向きに活用してもらいたい、との思いを産学の間で共有した。

 卒後就活と卒業・修了年度における秋・冬採用は、学生・社会の認識が総じて否定的であるため、まずは「卒業=即就職」の固定観念を見直すことが必要と指摘した。産学の間で忌憚なく議論した結果、両採用の拡大および、採用をめぐり現在生じている弊害の最小化に向けて、各主体が取り組めることから着手推進することに意義があるとの考えで合意した。

 なお、「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」は、6年超にわたる継続的な対話を通じて一定の成果が得られたことから、2024年度をもって常設の会議体としての産学協議会を発展的に解消した。今後は、産学が合意するテーマに応じて、柔軟に協議する会合を開催していく予定だという。

《川端珠紀》

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