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教員1,400人調査、やりがい8割超も「多忙」が課題トップ

 菅公学生服は、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に実施した「学校教育現場の課題」に関する調査結果を公開した。調査によると、教員の8割以上が仕事にやりがいを感じる一方、9割以上が大変だと回答。学校教育現場の課題として「教員の長時間労働と多忙化」がもっとも多くあげられた。

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現在、あなたは教師という仕事に、やりがいを感じていますか。また、教師という仕事について、大変だと感じることはありますか。
  • 現在、あなたは教師という仕事に、やりがいを感じていますか。また、教師という仕事について、大変だと感じることはありますか。
  • あなた自身が教師という仕事をする上で、困っていることや負担に感じていることは、どのようなことですか。
  • あなたが思う学校教育現場の課題は、どのようなことですか。

 菅公学生服は、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に実施した「学校教育現場の課題」に関する調査結果を公開した。調査によると、教員の8割以上が仕事にやりがいを感じる一方、9割以上が大変だと回答。学校教育現場の課題として「教員の長時間労働と多忙化」がもっとも多くあげられた。

 現代の学校教育現場では、社会環境の急激な変化にともない、教師の役割がますます重要になっている。同調査は、学校教育現場の課題について教員自身がどのように感じているかを明らかにするため、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に、仕事へのやりがいと大変さ、仕事の負担や困り事の内容、学校教育現場の課題について調査したもの。調査期間は2025年7月。

 はじめに、教師という仕事へのやりがいについて尋ねたところ、「とても感じている」38.2%、「やや感じている」44.3%をあわせると、中学・高校の教員の8割以上がやりがいを感じていることがわかった。一方、仕事を大変だと感じる頻度については、「よくある」が63.4%、「たまにある」が32.4%となり、あわせて9割を超える教員が仕事の大変さを実感している実態が浮き彫りとなった。特に中学校では「よくある」が67.8%と、7割近くにのぼった。

 教師という仕事をするうえで、困っていることや負担に感じていること(複数回答)は、「業務量が多い・多忙」が60.3%でもっとも多く、中学校では65.5%に達した。ついで、「保護者・PTAの対応」52.5%、「生徒間のトラブル・いじめ」44.6%、「生徒の生活指導」36.1%、「部活動・クラブ活動の顧問」35.6%、「事務・報告書作成」33.7%など、授業以外の業務が多岐にわたっていることがうかがえる。

 教員自身が思う学校教育現場の課題(複数回答)では、「教員の長時間労働と多忙化」が61.1%で最多となった。続いて、「不登校生徒の増加」48.0%、「保護者からの過剰な苦情」47.9%、「教員のメンタルヘルス問題」43.3%、「学習意欲・学力の低下」41.9%、「発達障害や特別な教育的ニーズを持つ子供への専門的支援」38.4%があげられた。また、「部活動の地域移行」は全体では23.1%であったが、中学校では32.5%と3割を超えていた。

 今回の調査から、教員の多くが仕事に強いやりがいを感じている一方で、業務量の多さや保護者対応、生徒指導など多岐にわたる負担により、9割以上が仕事の大変さを実感しているようすが明らかになった。教員の長時間労働や多忙化は依然として深刻であり、教員が教育活動に専念できる環境整備が求められる。

《風巻塔子》

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