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イエナプラン大日向小中、保護者有志が学校支援の法人設立

 日本初のイエナプランスクール認定校「大日向小学校・中学校」を運営する茂来学園と、同校の保護者(在校生および卒業生)有志は、学校支援を目的とした一般社団法人「もらいパートナーズ」を設立した。

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廃校になった公立小学校の校舎を活用して開校した大日向小学校
  • 廃校になった公立小学校の校舎を活用して開校した大日向小学校
  • 子供・保護者・教職員・理事が学校の課題や未来についてフラットに語り合う「学校セッション」での一場面
  • 保護者が運営するアフタースクール

 日本初のイエナプランスクール認定校「大日向小学校・中学校」を運営する茂来学園と、同校の保護者(在校生および卒業生)有志は、学校支援を目的とした一般社団法人「もらいパートナーズ」を設立した。保護者や地域住民の力を生かし、放課後の居場所づくりや学校施設の維持管理などを通じて教育活動を側面から支え、学校の力強いパートナーとしての役割を果たす。

 大日向小学校・中学校は、ドイツ発祥・オランダで発展した教育ビジョン「イエナプラン」に基づき、子供・保護者・教職員・理事の4者が対話を重ねながら共につくる学校を目指してきた。同校にはPTA組織がなく、これまで保護者はボランティアや個人事業として、自主的なプロジェクトを立ち上げるなどして子供たちの学びや学校運営を支えてきた。

 中でも、保護者有志が小学校開校の翌日から運営してきたアフタースクール「ひなたぼっこ」は、保護者による共助の象徴的な取組みとなっている。しかし、運営の中心を担ってきた保護者の子供が卒業を迎えるなど、活動の継続性に課題があった。こうした自主プロジェクトや個人では解決が難しい課題に対応し、より発展的な活動を行うため、茂来学園と保護者有志の合意のもと、法人の設立に至った。

 もらいパートナーズのおもな事業内容は、「茂来学園の活動に係る支援事業」「保護者ならびに地域の人材活用事業」「賛助会員募集事業」の3つを予定している。

 今後は、これらの事業を軌道に乗せるとともに、学校が位置する長野県佐久穂町および近隣地域の事業者や住民との関わりを深め、地域の課題解決につながる事業の可能性も模索していくとしている。

 茂来学園理事長の中正雄一氏は、「この学校と保護者との新しい関係の仕組み化が、全国の学校が抱える学校運営に関する課題解決の1つとなればと期待しています」とコメント。

 もらいパートナーズ代表理事の庄司紀子氏は、「茂来学園ともらいパートナーズがいろいろな場面でいろいろな関係者との架け橋になりながら、『誰もが、豊かに、そして幸せに生きることのできる世界をつくる。』ことに邁進できればと思っています」と述べている。

《吹野准》

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