文部科学省は2025年2月28日、Webサイトに高校数学指導資料「数学的リテラシーを育む授業事例集」を公開した。日常の事象を考察しながら生きて働くための知識・技能を習得する「はしご車はどこまで届く?(数学I・鋭角の三角比)」など、7つの事例を紹介している。
「OECD生徒の学習到達度調査」(PISA)の2022年調査結果が、2023年12月に発表された。日本の数学的リテラシーの平均点は依然として世界トップレベルである一方、実生活における課題を数学を使って解決する経験などに関しては、課題が指摘。今後、数学的リテラシーはより一層の伸長が求められるものであることから、高校数学科教育の充実を図る必要がある。
そこで文部科学省は、高校数学指導資料「数学的リテラシーを育む授業事例集」を作成した。数学科の授業において、数学的リテラシーを育成・伸長していく取組みとして、「数当てゲームの仕組みを探ろう(数I・式の計算)」「はしご車はどこまで届く?(数学I・鋭角の三角比)」「男女の記録の比べ方を考えよう(数I・分散と標準偏差)」「どのような人が検査を受ける?(数A・いろいろな確率)」といった7つの事例を、授業過程の例や実践のポイントなどと共に紹介している。
ひとりひとりの生徒が豊かな人生を送り、持続可能な社会の一員となるにあたって、数学的リテラシーをより一層伸長していくことが欠かせないとの考えから、文部科学省では、今回の指導資料を参考の1つとして活用し、創意工夫を生かした教育活動の積極的な展開を行うよう求めている。