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学校安全の推進へ体制や留意点、中間まとめ公表…文科省

 文部科学省は2024年7月31日、「学校安全の推進に関する有識者会議」による学校安全を推進するための組織体制の在り方について中間まとめを公表した。学校安全のために必要な視点として、地域や関係機関等との連携や校内の組織体制整備などを掲げている。

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学校安全を推進するための組織体制の在り方について中間まとめ(概要)
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 文部科学省は2024年7月31日、「学校安全の推進に関する有識者会議」による学校安全を推進するための組織体制の在り方について中間まとめを公表した。学校安全のために必要な視点として、地域や関係機関等との連携や校内の組織体制整備などを掲げている。

 学校安全の推進の在り方について検討を行っている「学校安全の推進に関する有識者会議」では、2024年度、学校安全の取組みを実効的かつ継続的なものとする観点から、学校安全を推進するための組織体制の在り方について検討を進めており、議論の中間まとめを公表した。

 学校安全を推進するための組織体制に関するこれまでの議論では、地震などの自然災害、学校における活動中の事故や不審者侵入事件など、学校の努力だけでは防止できない事案も発生し、地域や関係機関等と連携して組織的に実効性のある持続可能な学校安全の取組みの推進が強く求められることがあげられた。また、学校安全について、組織的・計画的に地域等と連携し、実践・改善を継続するものとして認証された学校である「セーフティプロモーションスクール」の考え方を取り入れた取組みの充実などもあげられた。

 学校安全を推進するための組織体制の充実に必要な視点として、児童生徒等の安全確保には、地域や関係機関等と連携し、学校安全の実効性向上を図ることが必要だとした。具体的には、事件・事故・災害被害等の経験を繰り返さないためには、学校安全の専門的な知見や子供の視点の活用、地域の協力体制の構築が必要であるとしている。

 また、持続可能かつ組織的な学校安全の質の向上には、コミュニティ・スクール(CS)と地域学校協働活動の仕組みを最大限活用することが効果的だとした。学校安全の取組みの実効性や持続可能性の向上、外部の視点による評価・見直しについては、学校運営協議会での協議、共通理解の醸成が効果的だとしている。

 校内の組織体制整備には、校長のリーダーシップのもと、校内の組織体制の整備が必要だとした。学校安全の取組みの実効性を高めるための留意点としては、CS等の仕組みの活用による負担軽減と安全強化を掲げている。

 学校安全を推進するための組織体制の在り方に関する提言では、学校運営協議会を活用した学校安全の取組みを一層推進するために必要な方策の具体的な検討が必要であるとした。また、CSの仕組みを活用した学校安全の取組みの実質化には、学校安全に関わる教職員の学校運営協議会への参画など体制の工夫が必要で、組織的かつ効果的に学校安全の取組みを推進するためには、「学校安全の中核を担う教職員」の配置、資質能力向上の機会確保が重要であるとした。有識者会議では、組織的に学校安全を推進していくための校内体制および、その中心となる「学校安全の中核を担う教職員」について、その位置付けと果たすべき役割、養成・育成等について、さらに検討を進めていくという。

《いろは》

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