日本漢字能力検定協会は2024年3月15日、2023年度高校・高等専門学校における「漢検」の資格活用状況調査の結果を公表した。漢検を入試で評価・活用している高校・高等専門学校は2,823校(51.6%)で、このうち半数が合否判定に利用していることが明らかとなった。
同調査は、2023年10月から2024年1月に、全国の高校・高等専門学校5,472校を対象に「漢検」の入試や単位認定などにおける資格活用状況調査を実施。回答校数は4,452校。
「漢検」の活用校数は全国5,472校のうち3,259校(59.6%)。このうち、「漢検」を入試で評価・活用している高校・高等専門学校は2,823校(51.6%)で、前回調査(2021年度)より145校増加した。
活用の種類別に学校数をみると、「合否判定考慮・参考」が1,524校(54.0%)ともっとも多く、基礎学力のほか、学ぶ姿勢や学習プロセスを評価する指標の1つとして、検定の活用が広がっていることがうかがえる。
具体的な評価方法をみると、私立校では受験者が漢検の準2級・2級を取得している場合、すべての入試選抜で国語の内申を「1」高くみなす学校など、県立校では漢検3級以上を有する受験者は、一般・推薦入試において、資格取得に向けて努力した結果を総合的に評価する学校などがあったという。
また、高校入試担当者への任意アンケートでは、回答校のうち6割以上が「在学中の漢検合格(取得)を推奨」、5割以上が「校内で受検機会を提供」するなど、各学校において「漢検」が広く活用されていることが明らかとなった。
漢検を活用する理由については、8割以上が「基礎学力の定着度を測る指標になる」と回答。ついで、6割以上が「漢字・日本語能力の重要性を伝えられる」「言語活動の充実を促進させる」と回答しており、入学者や在校生に漢字・日本語への意識を喚起し、学習を促進させる手段の1つとして「漢検」を活用していることがわかった。
「漢検」受験級は、3級が中学校卒業程度(1,623字)、準2級が高校在学程度(1,951字)、2級が高校卒業・大学・一般程度(2,136字)。満点合格の場合には、合格証書が「満点合格証書」というスペシャル版になって届くという。「漢検」のWebサイトではこのほか、具体的な活用内容や活用校の一覧など、調査結果の詳細を見ることができる。