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学童施設8割「処遇・待遇」改善を求める…コドモン調査

 学童現場で働くうえで、80%の施設が「処遇/待遇の低さ」を課題にあげていることが2024年2月28日、保育・教育施設向けICTサービス「コドモン」の調査結果から明らかとなった。

事例 その他
学童(放課後児童クラブ)の現場で働くうえで課題と感じること
  • 学童(放課後児童クラブ)の現場で働くうえで課題と感じること
  • 放課後児童対策パッケージ
  • 国から提示された放課後児童対策パッケージで期待すること
  • 放課後の子供の居場所について保護者が困っていること/困っていたこと
  • 学童における長期休暇期間中のお弁当デリバリー導入の予定
  • 将来的に学童(放課後児童クラブ)の利用を検討しているか

 学童現場で働くうえで、80%の施設が「処遇/待遇の低さ」を課題にあげていることが2024年2月28日、保育・教育施設向けICTサービス「コドモン」の調査結果から明らかとなった。

 同調査は2024年1月26日~2月7日、保育・教育施設向けICTサービス「コドモン」を利用する全国の学童施設(放課後児童クラブ)と保護者を対象に、それぞれ「学童運営」「放課後の子供の居場所」について、メール案内・Web回答方式でアンケートを実施。こども家庭庁と文部科学省による待機児童対策などを強化するための「放課後児童対策パッケージ」(2023年12月25日付)についての期待度なども調査している。回答数は施設125件、保護者175件。

 まず、学童現場で働くうえでの課題には、80%の施設が「処遇/待遇の低さ」、72.8%が「人員不足」と回答。ついで58.4%が「専門性の高い職員の不足/不在」、51.2%が「児童ひとりあたりの施設のスペースが狭い」と回答した。人員不足解消のためには労働環境の改善だけでなく、放課後児童支援員の社会的地位向上や、児童福祉法7条に学童保育を明記し、保育所や学校と同等の制度を求める声もあがっている。

 国から提示された「放課後児童対策パッケージ」に期待することとしては、「放課後児童クラブを運営する人材の確保」が83.2%で最多となった。同パッケージには、人材確保の項目として、放課後児童クラブにおける常勤職員配置の改善、放課後児童クラブに従事する職員に対する処遇改善、ICT化の推進による職員の業務負担軽減、育成支援の周辺業務を行う職員の配置による業務負担軽減の4項目があがっており、2024年度の拡充に期待が寄せられる。

 次に学童保育を利用している(利用していた)保護者に、困っていること(困っていたこと)を尋ねたところ、55.8%が「学校給食がないときはお弁当を持参しなければならない」と回答。施設向けのアンケートでは37.6%が「お弁当デリバリーなどの実施予定はない」、33.6%が「実施済み」と回答していることから、お弁当のデリバリーを実施しているかどうかも保護者が学童を選ぶ際のポイントといえそうだ。

 将来的に学童の利用を検討しているかを尋ねた設問では、現在子供が未就学児の保護者のうち51.1%が「利用を検討しているが、人手不足や施設環境などから学童保育の質について不安に感じる」と回答。学童の受け皿整備だけでなく、「待遇・処遇の改善」「労働環境の改善」といった職員の環境を改善することで職員も保護者も子供も安心して過ごせる学童保育の質向上が求められていることがうかがえる。

 コドモンのWebサイトでは、調査レポート「学童運営・放課後の子どもの居場所について 8割の職員が『処遇/待遇の低さ』の改善を求める」のすべての調査結果を見ることができる。

《川端珠紀》

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