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23年度公立学校教員採用試験、年齢制限の撤廃53県市へ拡大

 文部科学省は2023年12月25日、2023年度(2022年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施方法調査の結果を公表した。2023年度は栃木県など6県市が受験年齢制限を撤廃、鹿児島県が受験年齢を54歳へ引き上げ、「年齢制限なし」は計53県市へ拡大した。

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採用選考における基本的年齢制限
  • 採用選考における基本的年齢制限
  • 試験実施時期
  • 実技試験の実施状況(小学校)

 文部科学省は2023年12月25日、2023年度(2022年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施方法調査の結果を公表した。2023年度は栃木県など6県市が受験年齢制限を撤廃、鹿児島県が受験年齢を54歳へ引き上げ、「年齢制限なし」は計53県市へ拡大した。

 文部科学省では、各都道府県・指定都市・大阪府豊能地区教職員人事協議会教育委員会が実施する公立学校教員採用選考試験の実施方法を毎年度調査している。今回は、2022年度に全68県市で実施された2023年度採用選考試験を対象に、試験の実施時期や試験内容などについて取りまとめている。

 試験の実施時期は68県市のうち、52県市が7月に1次試験、59県市が8月に2次試験を実施し、全体的に早期化の傾向にある。出願開始は4月が47県市、締切りは5月までが59県市ともっとも多い。地域枠を設けた選考を実施したのは14道府県(前年度11道府県)。また、自らの都道府県外において採用説明会を実施する県市は50県市で、前回39県市からさらに増加。中でもオンライン採用説明会を実施した自治体は前回25県市から48県市へ倍増した。

 特別選考の実施状況をみると、「教職経験」全68県市(前年度68県市)、「英語資格等」63県市(63県市)、「民間企業等勤務経験」59県市(56県市)、「複数免許状の所持」55県市(48県市)、「前年度試験での実績」53県市(49県市)などを加味する選考を実施する県市が増加。また、24県市(10県市)では「情報処理技術等の資格」、13県市(11県市)では「臨床心理士、公認心理士等」の専門資格を加味した選考も行われている。

 小学校の実技試験は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2021年度採用選考以降にを取りやめた自治体が多く、2023年度は「体育(水泳含む)」「音楽」が各12県市、「外国語」が19県市、「図画工作」が1県市で行われた。ただし中学校・高等学校の実技試験は多くの自治体が行っている。

 面接試験は67県市が2次試験で実施。1次試験で面接を行うのは29県市で、1次・2次両方実施が28県市。また3次試験は2県市で、2次・3次両方実施が2県市だった。面接方法は、個人面接が全68県市、集団面接が38県市、個人・集団両方が38県市。そのほか、41県市が「模擬授業」、36県市が「作文・小論文」、30県市が「適性検査」「場面指導」、8県市が「指導案作成」を試験に導入している。

 大学院在学者・進学者に対する特例の実施は66県市、「教師養成塾」の実施は、小学校が26県市、中学校が21県市、高等学校が12県市、特別支援学校が14県市。

 受験年齢制限は「制限なし」が53県市で、2021年度調査の47県市から増加。近年、年齢制限の緩和が加速している。2023年度は栃木県、山口県、徳島県、長崎県、熊本県、京都市が受験年齢制限を撤廃したほか、鹿児島県が49歳から54歳へ引き上げた。

《川端珠紀》

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