文部科学省は2023年11月28日、2022年度(令和4年度)学校保健統計調査の結果(確定値)を公表した。園児から高校生までを対象に行った健康調査で、むし歯(う歯)の割合は全学校種で過去最低値を記録した。
学校保健統計調査は、学校における幼児・児童・生徒の発育や健康の状態を明らかにすることを目的に1948年度から毎年実施している。調査対象は、国公私立の幼稚園、幼保連携型認定こども園、小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校、高等学校の満5歳から17歳までの一部(抽出調査)。
調査の確定値によると、裸眼視力1.0未満の者の割合は、年齢が高くなるにつれておおむね増える傾向にあり、幼稚園24.95%、小学校37.88%、中学校61.23%、高校71.56%。すべての学校種で前年度よりも増加しており、小中高校は過去最多を更新している。
虫歯(う歯)の者の割合は、幼稚園24.93%、小学校37.02%、中学校28.24%、高校38.30%と、いずれも前年度より減少。全学校種で過去最低値となり、各年代でむし歯の割合が90%を超えていた1970年代から、大きく改善している。鼻・副鼻腔疾患の割合は、小学校・中学校で1割程度だった。
身長の平均値は1994年度から2001年度まで上昇し、その後横ばい傾向。体重の平均値は、1998年度から2006年度まで上昇し、その後横ばい傾向で推移している。平均体重の80%以下の痩身傾向児の割合は、男女とも10歳以降、約2~3%台となっている。
平均体重の120%以上の肥満傾向児の割合は、男女ともに小学校高学年がもっとも高い。特に男子は8歳以降の各年齢で1割を超えており、もっとも多いのは10歳で15.11%。11歳、14歳では2006年以降でもっとも高い割合となっている。女子は、5歳、11歳が2006年以降で過去最高値となったものの、肥満傾向児の割合が1割を超えたのは11歳の10.47%のみだった。
なお、2022年度調査は前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響により、例年4月1日から6月30日に実施する健康診断の実施期間を年度末まで延長した。文部科学省は調査結果について、成長の著しい時期において測定時期を異にしたデータを集計したもので、過去の数値と単純比較できないとしているため、その点を踏まえて調査結果を参照してほしい。
2022年度学校保健統計調査(速報値)の結果概要は、文部科学省Webサイトで公開している。