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GIGA端末の有償フィルタリング…導入75%と横ばい

 GIGAスクール構想の1人1台端末に有償フィルタリングを導入している教育委員会は前年比0.1ポイント減の75.0%とほぼ横ばいとなっていることが、デジタルアーツが2023年11月21日に発表した調査結果から明らかとなった。規模の大きい教育委員会に絞ると微増がみられた。

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有償フィルタリングの導入状況
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  • 児童生徒数が3,000人以上の教育委員会のフィルタリングの導入状況

 GIGAスクール構想の1人1台端末に有償フィルタリングを導入している教育委員会は前年比0.1ポイント減の75.0%とほぼ横ばいとなっていることが、デジタルアーツが2023年11月21日に発表した調査結果から明らかとなった。規模の大きい教育委員会に絞ると微増がみられた。

 GIGAスクール構想の1人1台端末における有償フィルタリングの導入状況調査は、1,741教育委員会ヒアリング結果と、児童生徒数3,000人以上の651教育委員会へのヒアリング結果を取りまとめたもの。調査時期は2023年9月。

 GIGAスクール構想の1人1台端末に有償フィルタリングを導入している教育委員会は前年比0.1ポイント減の75.0%、無償フィルタリングが前年比0.1ポイント減の15.5%、フィルタリング未導入が前年比0.2ポイント増の9.5%と、ほぼ横ばいであることが明らかとなった。

 一方、児童生徒数が3,000人以上の教育委員会では、有償フィルタリング導入が前年比1.1ポイント増の82.2%と微増。比較的規模の大きい教育委員会では、緩やかに導入が進んでいることがわかった。

 無償フィルタリングは、アダルトコンテンツのブロックを目的としたOS搭載のフィルタリングが主流。有害情報や脅威情報サイトなどのブロックは管理者がひとつひとつ手作業で登録しなければならず運用負担が大きい。また、Webサイトの利用時間制限などの柔軟な設定は、無償フィルタリングや有償フィルタリングに含まれるDNSフィルタリングだけでは難しい面があるという。

 文部科学省が発表した「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、小・中・高校などで認知されたネットいじめ件数は2万3,920件と過去最多を更新。昨今増え続けるネットいじめに繋がるような書き込みや自殺サイトへのアクセスなどを検知できる機能の重要性も高まっている。

 デジタルアーツは、有償フィルタリングの導入が進まない理由は、予算不足などの課題があると指摘。文部科学省が2023年度補正予算案に、GIGA端末更新費となる総額2,643億円を組み込み、NEXTGIGAに向けて公立学校を補助することから、あらためて有償フィルタリング導入の機会になるとしている。

《川端珠紀》

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