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JASSO、委託事業者が個人情報を不正取得…約5万件漏洩か

 日本学生支援機構は、委託事業者であるNTTマーケティングアクトProCXが利用するコールセンターシステムの運用保守業務を担うNTTビジネスソリューションズにおいて、個人情報を不正取得し持ち出す事案が発生していたと発表した。

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 日本学生支援機構(JASSO)は2023年10月20日、委託事業者であるNTTマーケティングアクトProCXが利用するコールセンターシステムの運用保守業務を担うNTTビジネスソリューションズにおいて、当時の担当者1名が個人情報を不正に取得して持ち出す事案が発生していたと発表した。現時点で、個人情報が第三者に流出された事実は確認できていないという。

 JASSOは、奨学金相談センターの設置および運営業務をNTTマーケティングアクトProCXに委託。NTTマーケティングアクトProCXは、センター運営にあたり利用するコールセンターシステムの保守事業をNTTビジネスソリューションズに委託していたが、その運用保守業務従事者1名(当時)が、システム内の個人情報を不正に取得し、持ち出す事案が発生していたことが明らかになった。

 不正に取得された個人情報は、2018年(平成30年)3月19日以前に奨学金相談センターに問合せをした人の個人情報(氏名、電話番号、郵便番号、住所、生年月日)のうち、約5万件。それ以外の個人情報の持ち出しは現時点で確認されておらず、さらなる特定作業を進めているところだという。

 不正に取得された時期は、2016年(平成28年)3月17日および、2018年(平成30年)3月19日。事態は、2023年10月12日にNTTマーケティングアクトProCXより事案概要の報告を受けたことにより発覚。JASSOは個人情報保護委員会に報告したうえで、10月17日にはNTTマーケティングアクトProCXなどによる報道発表と記者会見が行われた。

 なお、今回、NTTマーケティングアクトProCXが利用するコールセンターシステムの運用保守業務を担うNTTビジネスソリューションズのシステムの運用保守業務従事者(当時NTTビジネスソリューションズに派遣された元派遣社員)による個人情報の不正取得および持ち出しはJASSOだけでなく、10月17日時点で判明しているだけで59クライアントにのぼり、不正に持ち出された個人情報はあわせて約900万件にのぼるという。

 持ち出された個人情報が第三者に流出された事実は確認されていないとしているが、現在も警察による捜査が続いており、さらなる被害拡大も懸念される。JASSOも今回の事案を重く受け止め、今後の個人情報の取扱いについて、委託事業者への指導などを徹底していくとしている。

 なお、今回の個人情報漏洩に関する問合せについては、NTTマーケティングアクトProCX/NTTビジネスソリューションズの専用ダイヤルが窓口となって受け付けている。

《畑山望》

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