東京都教育委員会は2023年7月10日、都立学校における「教育ダッシュボード」の取組みを公表した。2024年度から段階的に運用を開始し、2025年度には全都立学校(一部を除く)に導入する計画。教育ダッシュボードを活用したこれからの教育の姿を伝えようと、デジタルパンフレットや広報動画も公開した。
「教育ダッシュボード」とは、成績や出席状況などの「校務系データ」と1人1台端末での課題提出状況やファイルのアクセス状況などの「学習系データ」を連携し、データを集約・可視化、分析などを行う教員用のシステム。東京都では、教員の経験に加え、データに基づく指導を実現することで、子供たちひとりひとりの力を最大限伸ばしていくことを目的に都立学校への教育ダッシュボード構築を進めている。
東京都は、この教育ダッシュボードを2024年度から段階的に運用開始する計画。TOKYOデジタルリーディングハイスクール指定校(TOKYO教育DX推進校)19校で2024年度中に運用を開始し、その後、都立高等学校(通信制課程を除く)、都立中等教育学校、都立中学校、都立小学校に順次拡大。2025年度には、特別支援学校と高等学校通信制課程を除く全都立学校に導入する。
東京都教育委員会は、教育ダッシュボードの活用事例も公表。クラス別定期考査成績や端末を使った話合い活動の実施状況などから指導法の改善の検討に役立てる取組み、出欠席情報のアラートなどから生徒の変化をいち早く察知して問題の早期発見につなげる取組みを例にあげている。
なお、児童・生徒の個人データを見ることができるのは在籍学校の教員のみとし、児童・生徒のプライバシーに配慮して運用。教育ダッシュボードでのデータ分析を望まない児童・生徒については、分析対象としない仕組みを構築するとしている。
運用開始に向けて、教育ダッシュボードを活用したこれからの教育の姿を児童・生徒や保護者などに伝えようと、デジタルパンフレットとコンセプトムービー(広報動画)も作成。デジタルパンフレットでは、教育ダッシュボードの概要や活用例などを紹介しており、今後、より詳細に解説する第2弾、第3弾も作成予定。コンセプトムービーは、高校生向けと中学生向けがあり、それぞれロング版とショート版を公開。特設サイト「教育ダッシュボードのご案内」から見ることができる。