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老朽化が進む学校の改修「課題解決事例集」公開…文科省

 文部科学省は2023年5月23日、老朽化が進む学校施設の改修等を行う際に、ボトルネックとなる技術的な課題に対応する「学校施設の教育環境向上を図る改修等に関する課題解決事例集」を公開した。

教育行政 文部科学省
学校施設の教育環境向上を図る改修等に関する課題解決事例集
  • 学校施設の教育環境向上を図る改修等に関する課題解決事例集
  • 課題解決事例集の概要

 文部科学省は2023年5月23日、老朽化が進む学校施設の改修等を行う際に、ボトルネックとなる技術的な課題に対応する「学校施設の教育環境向上を図る改修等に関する課題解決事例集」を公開した。

 膨大な数にのぼる学校施設の老朽化が進む中、新しい学び舎を実現するためには、新築・改築のみならず、長寿命化改修を積極的に推進していく必要がある。一方、教育環境向上と老朽化対策を一体的に取り組むには、構造体の改修範囲の見極めや法的制約への対応、改修のノウハウ等、ボトルネックとなる課題が指摘されている。

 今回公表された課題解決事例集は3部構成。技術的課題への対応例を解説した「事例編(第2部)」を核とし、学校施設の実態や新しい時代の学びを実現する改修整備の方向性を紹介する「基礎編(第1部)」と、改修整備の際の技術的に参考となる情報を紹介する「資料編(第3部)」で、ボトルネックとなる課題への対応策をわかりやすく解説している。

 第2部の事例編では、柏市立土小学校(千葉県)、川崎市立菅生小学校(神奈川県)、京都市立朱雀第四小学校(京都府)の改修事例を紹介している。

 このうち、柏市立土小学校は教育環境の向上と老朽化対策を一体的に進めるため、市の改修モデルとなるように学校関係者の対話を重ね、整備を実施。工事期間中の教育活動は、授業カリキュラムを工夫し、長期休業期間に解体、引越等、工事関係者と学校関係者と連携を図り対応した。法令への適合については、建築指導部局と連携している。

 改修により2つの普通教室の間の壁に開口部を設置。現在は、2人の先生で1学年を担当する学年担当制を導入し、ICTを活用した一斉授業を実施する等、特色ある取組みを行っている。新しい学びに対応した普通教室では、1人1台端末や3面ホワイトボードを活用し、その成果を学校全体で共有。地域とも連携し、総合的な学習の時間や生活科を中心に据えた教育課程の再構築に取り組んでいるという。

 同事例集は、文部科学省のWebサイトで公開している。

《川端珠紀》

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