文部科学省は2022年12月19日、各都道府県の教育委員会等へ事務連絡「GIGAスクール構想に基づく1人1台端末環境下でのコンピュータ教室の在り方について」を出した。STEAM教育を推進するうえでも、ファブスペース等を整備し高機能化することも考えられるとしている。
今回の事務連絡は、従来から学校に整備されていた「コンピュータ教室」の充実や更新の必要性の有無等について、文部科学省としての考え方を整理したもの。この考え方については特別支援学校においても同様であり、各都道府県は域内の市区町村に周知するよう求めている。
学習指導要領上の扱いおよび各教科等との関係については、中学校の技術分野でのCAD製図、高等学校情報科の学習、探究的な学習、高いコンピュータ処理性能や高い画像解像度を必要とする学習、マイコンボードやスキャナー等の機器を接続して行う学習等において、生徒が主体的に選べるような環境を整えることが重要だとしている。
施設整備については、将来の更新や増設等を考慮し情報機器や机、無線LAN等を利用しやすいよう配置できる面積と形状等とし、収納や教員によるプログラム作成等のための準備室の確保に加え、ICTに対応した他の学習関係諸室等との役割分担を明確にし、相互の密接な連携に留意して計画することが重要だとした。さらに、個人やグループでの活動が可能な自由度の高い空間にし、教室内に児童生徒等のプログラム作成、情報に関する資料等の閲覧等のための空間を設けることが望ましいとしている。
小学校段階におけるプログラミングに関する学習活動について、児童の興味・関心等に応じて教育課程外の学習機会で提供されることが望まれることから、意欲をもった児童に対応するため、コンピュータ教室に高性能な端末を用意することに加え、小・中・高等学校を通じて、教育課程の内外においてSTEAM教育等を積極的に推進していくうえでも発展的に充実させる形でファブスペース等を整備することも考えられるとしている。
