教育業界ニュース

【大学入学共通テスト2023】コロナ救済措置は縮小…文科省

 2023年度大学入学共通テストについて、文部科学省の永岡桂子大臣は2022年11月29日、新型コロナウイルスの影響で本試験と追試験のいずれも受けられなかった受験生の救済措置を実施しない方針を表明した。無症状の濃厚接触者は前年度までと同様、受験を認める。

教育行政 文部科学省
2022年度大学入学共通テスト試験場のようす
  • 2022年度大学入学共通テスト試験場のようす
  • 文部科学省

 2023年度(令和5年度)大学入学共通テスト(以下、共通テスト)について、文部科学省の永岡桂子大臣は2022年11月29日、新型コロナウイルスの影響で本試験と追試験のいずれも受けられなかった受験生の救済措置を実施しない方針を表明した。無症状の濃厚接触者は前年度までと同様、受験を認める。

 11月29日に会見した永岡大臣は「新型コロナウイルスの影響により受験生が受験機会を失うことのないようにその機会を確保することは大変重要」と述べた。そのうえで、共通テストでは感染症の影響を勘案して本試験の2週間後に追試験を実施し、追試験を選択しやすいように全都道府県に試験場を設定すると説明した。

 2023年度共通テストでは、受験生が体調不良を訴えた場合に継続受験を認めない体温の要件について、前年度までの「37.5度以上」から「38.0度以上」に見直し。無症状の濃厚接触者は前年度までと同様に受験が可能で、感染者の自宅待機期間も大幅に短縮されていることから、「受験生が本試験または追試験を受験できないこと、試験場で受験継続できないことは通常想定しにくい」との考えを明らかにした。

 また、救済措置については「共通テストの本試験または追試験いずれも受験できなかった受験生のために個別学力検査等により合否判定を実施すること等は、2022年度入試限りの措置として大学に要請しているもの。文部科学省からは同様の措置を再度要請する予定はない」とした。

 文部科学省によると、2022年度(令和4年度)共通テストの本試験と追試験いずれかの欠席事由が新型コロナウイルス感染症の陽性または濃厚接触者であった者から出願があった大学は19大学延べ24人。また、同様の事由で出願した大学の個別学力検査の本試験に加え、追試験および別日程の振替いずれも受験できずに共通テストや調査書等で合否判定を実施した大学は4大学延べ5人。再度の追試験を実施した大学は7大学延べ19人であったという。

 永岡大臣は「1大学あたりの人数はすごく少ない」と指摘。「2022年度これだけ人数が少なかったということを踏まえ、2023年度は追試験以外に再度ということは考えていない」と語った。

《奥山直美》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

特集

page top