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東京都の公立校のいじめ約6万件、小中学校で増加…前年比1.4倍

 2021年度(令和3年度)の東京都の公立校のいじめの認知件数が、前年比1.4倍の5万9,835件にのぼることが、東京都が2022年10月27日に公表した調査結果から明らかになった。前年度と比べると小中学校・特別支援学校で増加している。

教育行政 教育委員会
2021年度(令和3年度)児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査
  • 2021年度(令和3年度)児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査
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 2021年度(令和3年度)の東京都の公立校のいじめの認知件数が、前年比1.4倍の5万9,835件にのぼることが、東京都が2022年10月27日に公表した調査結果から明らかになった。前年度と比べると小中学校・特別支援学校で増加している。

 「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」は、暴力行為・いじめ・長期欠席者・高等学校における中途退学者等の実態を把握するために東京都が毎年実施しているもの。2021年度(令和3年度)の対象は、東京都の公立の小学校1,274校、中学校622校、高等学校192校、特別支援学校62校。校数には義務教育学校・中等教育学校を含む。

 小・中・高校、特別支援学校の暴力行為の発生件数は2,119件で前年度より335件増加。学校別では、小学校が前年比319件増の1,249件、中学校が前年比18件増の861件、高校が前年比2件減の9件だった。2013年度(平成25年度)から2021年度(令和3年度)までの暴力行為の発生件数の推移をみると、中学校・高校では減少傾向だが、小学校では過去最多となった。

 いじめの認知件数は、前年度比1万7,297件増となる5万9,835件で、2013年度(平成25年度)以降で2番目に多い件数となった。学校別でみると、小学校が前年比1万5,826件増の5万4,210件で全体の9割を占める。中学校は前年比1,470件増の5,560件、高校が前年比20件減の28件。いじめの件数のうち、いじめ防止対策推進法で定められる「生命、心身または財産に重大な被害」「相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑い」が認められる重大事態にまで発展したものは45件だった。一方、いじめの認知件数が0の学校数は408校で、そのうち約9割を高校が占めている。

 いじめの態様は、いずれの校種においても「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が最多。小・中学校、特別支援学校では、認知したいじめの半数以上を学校の教職員等が発見している。発見のきっかけでは、小・中学校は「アンケート調査など学校の取組により発見(小学校65.3%・中学校47.9%)」、高校は「本人からの訴え(32.1%)」がもっとも多い。

 小・中学校における長期欠席者は2万1,536人。そのうち、不登校児童・生徒数は小学校7,939人、中学校1万3,597人で、前年度と比較して小・中学校共に増加した。不登校出現率は小学校1.33%、中学校5.76%であり、いずれも前年度より上昇。学校復帰率は小学校26.7%、中学校22.6%で決して多いとはいえない状況が続いている。

 不登校の要因は、小学校では本人に係る状況の「無気力・不安」がもっとも多く、ついで家庭に係る状況の「親子の関わり方」、本人に係る状況の「生活リズムの乱れ、あそび、非行」。中学校では、本人に係る状況の「無気力・不安」がもっとも多く、学校に係る状況の「いじめを除く友人関係をめぐる問題」 、「学業の不振」が続いた。

 高校における長期欠席者数は前年度比5,437人増の1万2,353人。特に全日制で大幅に増加した。そのうち「病気」「経済的理由」「不登校」で長期欠席した生徒数は、全日制1,768人で前年度より増加。一方、新型コロナウイルス回避による欠席は前年度より減少し、全日制全体の6.1%の583人となった。


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