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千葉県立高校改革、18校の再編計画…第1次実施プログラム策定

 千葉県教育委員会は2022年10月19日、「県立高校改革推進プラン:第1次実施プログラム」を策定した。国府台高校等の3校に教員基礎コースを設置し、船橋高校を理数教育の拠点校とする等、12項目18校の再編計画を盛り込み、都市部と郡部における統合の方向性を示している。

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医療系コースの卒業後の進路イメージ
  • 医療系コースの卒業後の進路イメージ
  • 魅力ある県立高校づくりの推進
  • 魅力ある県立高校づくりの推進
  • 県立高校の適正規模・適正配置
  • コンソーシアムのイメージ
  • 進学を重視した総合学科のイメージ
  • 地域連携アクティブスクールの仕組み
  • 通信制高校と通信制協力校のイメージ

 千葉県教育委員会は2022年10月19日、「県立高校改革推進プラン:第1次実施プログラム」を策定した。国府台高校等の3校に教員基礎コースを設置し、船橋高校を理数教育の拠点校とする等、12項目18校の再編計画を盛り込み、都市部と郡部における統合の方向性を示している。

 千葉県教育委員会では、2022年度以降の県立高校改革を進めるため、2031年度を目標年次とする「県立高校改革推進プラン」を3月に策定。今回、プランの実施にあたり基本となる具体計画のうち、検討を終えた内容について「第1次実施プログラム」として取りまとめた。

 普通科および普通系専門学科・コースについては、将来教員を目指す生徒が基本的な素養を身に付け職業意識等を育むため、2024年度に国府台高校・成東高校・大多喜高校の3校に「教員基礎コース」を設置する。また、保育士や幼稚園教諭等を目指す生徒が基礎的な素養を身に付け職業意識等を育むため、2024年度に鎌ヶ谷西高校、2025年度に土気高校に「保育基礎コース」を設置する。

 小見川高校には、看護師・理学療法士・作業療法士・臨床検査技師・診療放射線技師・言語聴覚士等の医療従事者への意欲を醸成し、地域医療に貢献する人材の育成を図るため、2024年度に「医療コース」を設置。松戸国際高校には、世界を舞台に持続的発展に貢献できるグローバル・リーダーを育成するため、2024年度に「グローバルスクール」を設置。ESD(持続可能な社会づくりの担い手を育む教育)を研究するとともに、海外の大学や国内のスーパーグローバル大学等への進学を指導する。

 船橋高校は、理数教育の手法について研究・開発を一層推進し、県全体の理数教育の充実を図るため、2024年度より理数教育の拠点校とする。理数教育連携事務局を設置し、理数科・理数系列設置校等や大学、外部機関、小・中学校間の連携窓口として、理数教育を推進していく。

 職業系専門学科・コースについては、農業教育・商業教育・福祉教育・情報教育の充実を目的に、茂原樟陽高校に「農業経営者育成に関するコース」、千葉商業高校に「起業家育成に関するコース」、一宮商業高校に「観光に関するコース」、船橋豊富高校に「福祉コース」、袖ヶ浦高校に「先端ITコース(仮称)」を設置する。実施年度は船橋豊富高校が2023年度、それ以外の高校が2024年度。松戸向陽高校には、県全体の福祉教育の質の向上を図るため、学校間や外部機関との連携を推進するコンソーシアムを設置する。

 その他、匝瑳高校は普通科と理数科を改編し、進学を重視した総合学科を2024年度に設置。行徳高校と市原高校には2024年度、社会のニーズに対応した教育を実践するため、地域連携アクティブスクールを設置する。銚子商業高校は2024年度、通信制協力校に指定。千葉大宮高校から遠距離に居住している生徒の負担軽減のため、面接指導(スクーリング)や定期試験を受けられるようにする。

 県立高校の適正規模・適正配置については、2022年3月から10年後の2032年3月には、中学校卒業者数がさらに約6,200人、学級数に換算すると約155学級分減少することが見込まれていることを受け、引き続き検討する。

 基本的な考え方として、都市部は「適正規模未満の学校や将来適正規模の維持が困難となることが見込まれる学校および同じタイプの学校が近接している場合には、適正配置を考慮しながら、規模の最適化を図る」、郡部は「統合により通学が著しく困難となる地域、かつ地元からの進学率が高い高校を地域連携協働校に位置付ける」「地域連携協働校も含め、生徒募集において著しく困難が生じる場合は、統合も検討する」等を示している。


《奥山直美》

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