現在、多くの教育機関では、学生(生徒)・保護者からの欠席等の連絡に電話やメールを利用しており、いつ来るかわからない連絡を待ち受ける業務は非常に大きな負担となっている。また、学生(生徒)が学校へ事前に連絡をしてくれない、学校が問い合わせても連絡が取れないケースの対応も課題となっている。
そこで、小山工業高等専門学校 電気電子創造工学科の干川尚人准教授、物質工学科の高屋朋彰准教授とMOOBON代表取締役の南剛史氏、CTOの西川雄三氏の研究グループは、出席が必要な現場で所在確認できるセンサーシステム(二次元バーコードリーダー)に連動するDXプラットフォームとして「OKPASS」を開発した。OKPASSでは、教室に設置されたバーコードリーダー、またはオンラインのサービスサイトから学生(生徒)本人が登録操作をすることでクラウド上のDX出席簿に自動記録できる。
たとえば、遅刻した学生(生徒)がいても、教職員はわざわざ教室へ行って確認する必要がなく、記録されたデータを確認することでリアルタイムに状況が把握できる。また、学生(生徒)の登校状況が不安な保護者へショートメッセージサービスで情報共有できる仕組みの他、Microsoft 365を導入している場合は、シングルサインオンで連携が可能となる。
開発には、教育現場を熟知した小山高専教員とクラウドサービス開発を得意とするMOOBONが実用性を徹底追及し、さまざまな学校教育機関での活用を想定。2022年4月からは、小山高専の学生を対象にした実証実験で、学生や保護者観点の利便性や教育現場における運用性等を検証し、2022年度内にサービスの商用化を目指している。なお、研究開発の取組内容は9月7日より開催される第70回年次大会・工学教育研究講演会にて発表する。