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障害ある学生4万744人、大学や高専の8割に在籍

 日本学生支援機構は2022年8月26日、障害のある学生の修学支援に関する実態調査の結果を発表した。2021年5月1日現在の障害学生数は4万744人で、このうち支援を受けている学生の総数は2万1,767人。全学校の80.1%にあたる942校に障害学生が在籍していた。

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障害学生数(障害種別)
  • 障害学生数(障害種別)
  • 障害学生数(学校種別・設置者別・課程別)
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  • 障害学生在籍学校数(障害学生在籍者数別)
  • 障害学生在籍学校数(障害学生在籍者数別)
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 日本学生支援機構は2022年8月26日、大学・短期大学・高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査の結果を発表した。2021年5月1日現在の障害学生数は4万744人で、このうち支援を受けている学生の総数は2万1,767人。全学校の80.1%にあたる942校に障害学生が在籍していた。

 全国の大学(専門職大学、大学院、大学院大学および専攻科を含む)、短期大学(大学内に短期大学部を有している場合および専門職短期大学、専攻科を含む)、高等専門学校(専攻科を含む)を対象とした悉皆調査。調査期日は2021年5月1日現在。全学校数1,176校の回答を得た(回収率100%)。

 なお、障害学生とは、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳を有している学生または健康診断等において障害があることが明らかになった学生。

 2021年5月1日現在における大学、短期大学、高等専門学校の障害学生数は4万744人で、前年度より5,403人増加。全学生に占める障害学生の在籍率は1.26%で、前年度より0.17ポイント増加した。障害学生在籍学校数は942校(全学校数の80.1%)で、前年度より7校増となった。

 障害学生在籍率を学校種別にみると、「大学」85.7%、「短期大学」62.3%、「高等専門学校」98.2%。障害学生在籍者数別でみると「21人以上」456校、「0人」234校、「2~5人」142校、障害学生が在籍する学校を全学生数の規模別でみると「1~499人」223校、「1,000~1,999人」194校、「2,000~4,999人」188校の順に多い。

 障害種別でみた障害学生数は、「精神障害」1万2,228人がもっとも多く、前年度より2,546人の増加。「病弱・虚弱」1万1,830人、「発達障害」8,698人と続いている。障害学生4万744人のうち、支援を受けている支援障害学生の総数は2万1,767人で、前年度より2,990人増加した。

 支援障害学生を障害種別にみると、多い順に「精神障害」7,613人、「発達障害」6,037人、「病弱・虚弱」3,514人。また、診断書はないものの発達障害があることが推察され教育上の配慮を行っている者(特別な支援を行っていない者を除く)は2,585人。発達障害(診断書あり)の支援障害学生6,037人とあわせると8,622人であった。

 障害学生への授業に関する支援を実施している学校は804校。支援実施状況を障害種別にみると、「精神障害」592校、「発達障害」588校、「病弱・虚弱」480校の順に多かった。また、障害学生に授業以外の支援を実施している学校は691校で、障害種別では「発達障害」509校、「精神障害」501校、「病弱・虚弱」392校の順に多かった。

 障害学生への授業支援状況は、多い順に「配慮依頼文書の配布」575校、「教室内座席配慮」561校、「出席に関する配慮」521校。授業以外の支援状況は、「専門家によるカウンセリング」472校、「自己管理指導」317校、「医療機関との連携」300校の順に多かった。

 障害者差別解消法に関する対応要領等の設置状況については、「対応要領または基本方針、規程等がある」学校は859校(全学校の73.0%)。「2021年度中に策定予定」である学校45校をあわせると904校(同76.9%)。「対応要領または基本方針、規程等はない」学校は272校(同23.1%)。

 また、障害学生の相談受付窓口について、「支援の申し出等の相談に対応する窓口がある」と回答した学校は961校で、全体の81.7%。このうち、「窓口について、要覧、パンフレット、ホームページ等で学生に周知している」と回答した学校は794校であった。

 入学者選抜における配慮体制については、2021年度入学者選抜において「入試要項(紙)およびホームページに記載している」と回答した学校は880校。入学選抜における配慮の事前相談受付方法を「全学共通のルールで期間を設けている」と回答した学校は576校だった。

 2021年度入学者選抜において受験上の配慮を行った受験者数をみると、大学は「聴覚・言語障害」、短期大学は「病弱・虚弱」、高等専門学校は「発達障害」がそれぞれもっとも多かった。配慮の内容では、「別室を設定」299校、「補聴器の持参使用」225校、「トイレに近接する試験室に指定」203校の順に多かった。


《奥山直美》

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