大阪電気通信大学は、京都文教大学と教育・研究および社会貢献活動における包括的な協力関係を築くことを目的に、2025年7月28日に大学間連携協定を締結した。
この協定は、文理融合による新たな知の創出を目指し、地域課題の解決に向けた人材育成を進めることを目的としている。近年、地域課題の複雑化や人材ニーズの多様化が進む中で、大学には分野を超えた連携による課題解決力の強化が求められている。同協定では、相互履修・単位互換、共同研究、地域交流プログラムの実施など、両大学の強みを生かした連携を通じて、文理の枠を超えた総合的な知の創出を目指す。また、教育の質的向上や地域人材の育成を通じて、活力ある地域社会の発展に貢献する。
大阪電気通信大学の塩田邦成学長は、「少子化による労働人口の減少に対し、高等教育の役割は一層重要になってきます。分野の違いは、イノベーションの源になります。これからの大学は『引き算』で特色を打ち出し、それぞれの強みで補い合い、新たな大学連携のあり方をこの協定から生み出していきたいと考えています」と述べた。
京都文教大学の森正美学長は、「京都府南部において地域連携や社会連携型PBLを推進してきました。本学の理念である『ともいき(共生)』の精神のもと、大阪電気通信大学と共に、より一層の社会貢献を果たしてまいります」とコメントした。
具体的な連携事例として、大阪電気通信大学工学部基礎理工学科環境化学専攻を中心とした「ベリーベリープロジェクト」と京都文教大学社会学部総合社会学科食マネジメントコースによる食品機能性分析を生かした商品開発に関する文理融合型プロジェクトがあげられる。また、大阪電気通信大学の教職課程と京都文教大学の教員養成課程を両大学の学生が科目履修生として履修し、教員免許状を取得できる仕組みを協議中だという。
協定に基づく取組みとしては、教育研究を目的とした教職員の交流および協働、施設設備の共同利用、初等中等教育の教育職員養成、高大接続、学生相互の交流、地域社会への貢献の推進などが含まれる。
大阪電気通信大学は、工学部、情報通信工学部、建築・デザイン学部、健康情報学部、総合情報学部を有し、2025年5月1日現在で5,758名の学生が在籍している。京都文教大学は、総合社会学部、臨床心理学部、こども教育学部を有し、同日現在で1,742名の学生が在籍している。