インターネット調査「学校現場におけるCBT並びにGIGAスクール構想に関する意識調査(スプリックス基礎学力研究所調べ)」は、スプリックスが運営する教員のための授業準備情報サイト「フォレスタネット」の会員425名の回答を集計したもの。調査期間は2022年6月14日~7月13日。
CBTとは「Computer Based Testing」の略称で、コンピュータを使った試験方式のこと。今回の調査では、教員の80.2%が「CBTを実施したい」と回答。前回2021年12月の調査から14.2ポイント増加した。GIGAスクール構想を経て、端末導入がおおむね完了し、ソフト面の課題解決へフェーズが移行しつつある中、「CBT」への期待感が高まっていることがわかる結果となった。
CBTの認知度も51.8%と、前回2021年12月の調査より16.8ポイント増加。残業時間別の割合をみると、残業時間の少ない層と多い層の両端でCBTの認知率が高い傾向にあった。残業時間が少ない層は、端末活用による業務の効率化を実現できている一方で、残業時間が多い層は自身の働き方改革にも関心があると推測。解決策として「CBT」に対する認知度も比較的高くなっていると予想される。
授業内での1人1台端末の使用頻度について調査したところ、53.2%の教員が「毎日使用している」と回答。「週2~3日使用している」をあわせると、80%以上の教員が日常的に端末を活用していることがわかった。一方で、「週1日以下」と回答した教員はわずか19.3%にとどまり、前回2021年12月の調査約30%と比べると、配備直後から顕著であった端末活用の格差が是正されてきたといえる。
また、教員の約2人に1人がデータ活用により児童生徒の成績把握が容易になったと回答した他、3人に1人以上が校務軽減に繋がっていると回答。CBTをはじめとする教育ICTの活用により効率的に校務を行うことが可能となり、教員の働き方に変化の兆しが見え始めたことがうかがえる結果となった。
続いて、CBT導入のメリットを尋ねると、69.5%が「採点業務の削減が実現すること」と回答。同様に、69.5%が「データ蓄積による児童生徒の成績推移把握が容易となること」と回答し、CBTならではのデータ活用についてもメリットに感じている教員が多いことがわかった。一方で、課題としてネットワーク環境に左右される点や、問題作成の自由度が低い点等の意見があがった。
最後に、CBTの活用状況を尋ねたところ、61.8%が「知っているが活用できていない」と回答。その他、「理解度チェックのためのミニテスト」「自習時のドリルの替わり」「単元ごとのまとめテスト」に活用しているという意見もあがった。これらのことから、CBTの認知度やニーズは高まっているものの、導入状況については依然課題があり、活用の目的に即したCBTシステムが待たれている状況であるといえる。