アノテーションツールとは、元々あるデータ(画像、音声、文章等)に対して、その説明等の付加情報を設定するためのツール。人工知能(AI)の研究・開発に不可欠な高品質な教師データ(正解データ)を設定する際に用いられる。通常、教師データを作成するためのアノテーションプロセスには多くの人員や時間が必要となり、AI研究開発を進めるうえでのボトルネックとなるケースが多い。
AIデータプラットフォーム「FastLabel」は、Webブラウザ上で簡単にアノテーションを行うことができるツール。アノテーション支援機能により、高い品質を担保しながら、教師データを効率的に作成することができる。今回、AIの研究開発に取り組む学校・教育機関向けに、FastLabelを無料で利用できる「FastLabelアカデミックプラン」を用意。提供を開始する。
「FastLabelアカデミックプラン」は学校、教育機関、大学研究室での利用を対象とし、各機関に所属する学生、教職員が無料で利用できる。画像、動画、3次元点群、テキスト、PDF、音声といった幅広いアノテーションタイプに対応したツールを無料で利用可能。矩形、グリッド、セグメンテーション、分類、姿勢推定、OCR、固有表現抽出、音声の文字起こし、3次元点群等、さまざまな方法でのアノテーションに対応している。
また、画像やテキストに対してあらかじめ自動でアノテーションを行う「自動アノテーション」機能、分割された領域を選択するだけで素早くアノテーションをすることができる「スマートアノテーション」機能、動画内の物体をトラッキングする機能等、アノテーション作業を効率化する機能も充実している。
FastLabelは、5⽉31⽇時点で、情報・ITサービス企業だけでなく、建築、製造、医療・福祉、農業・水産、スタートアップまで幅広い業界で活用されている。学術機関では、京都大学大学院 情報学研究科 システム科学専攻・田中研究室が活用。文書画像から数式を検出するためのアノテーションデータ作成にFastLabelを利用したという。
FastLabelでは、「FastLabelアカデミックプラン」の提供の他、データ収集やアノテーションデータ作成を代行するアノテーションサービス(有料)も提供している。利用方法については、FastLabelのWebサイトから問い合わせのこと。詳細については担当者から折り返し連絡を行う。