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【クレーム対応Q&A】宿題の範囲を超えたら注意された

 学校と家庭の間で意識のギャップが生まれ、両者がモヤモヤを抱える可能性のあるものの1つに「宿題」があります。今回のテーマは「宿題で指定された範囲以上にドリルを解いたら、範囲外の個所を消すように注意された」。

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 学校に寄せられるさまざまな相談。保護者や地域からの相談に先生はどのように対応するのが良いだろうか?クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまな相談に対応する際のポイントを聞いた。第69回のテーマは「宿題で指定された範囲以上にドリルを解いたら、範囲外の箇所を消すように注意された」。

宿題とは?


 学校と家庭の間で意識のギャップが生まれ、両者がモヤモヤを抱える可能性のあるものの1つに「宿題」があります。学校は一律に宿題を出すことがあるのですが、家庭の状況はさまざまです。そういった中で「先取り学習」の問題はよく起こります。

 「宿題」について辞書で調べると「1.家庭でやってくるべきものとして教師が児童・生徒に課する、学習上の課題、2.解決が後日に持ち越された課題(小学館・デジタル大辞林)」となっています。また、学校における学習の法的根拠となっている学習指導要領には宿題は位置づけされていません。宿題は、学校や担任がそれぞれの判断で取り組んでいるものであり、法的根拠等は明確ではありません。

 そういった状況において、今回のテーマのような苦情が保護者から寄せられた場合、学校としては宿題の取り組み方についての確認をする必要があるでしょう。宿題に関して、学校としてある程度の統一したやり方を決めている場合が多いです。ただ実際の運用に関しては、学年や学級で決めることも多いです。

 宿題だけではありませんが、「〇〇スタンダード」のように学校での取り組み方等を統一させている学校があります。ある程度統一したやり方にすることで年度の切り替わり時等に子供が戸惑わないという理由からです。そういった「〇〇スタンダード」の良さもあるのですが、問題点があることも事実です。

 今回の「一度取り組んだものを消させる」というやり方は、子供の学びの意欲を消失させる可能性のあるものです。宿題の取り組み方は、学年や担任に任されているとは言え、やったものを消させることは、子供や保護者から不信感を抱くことにつながりかねません。学校では「落ちこぼれ」と共に「吹きこぼれ」も一定数発生させていると言われています。学級全体でペースを揃えながらドリル等に取り組ませたいという意図があるのだと思いますが、それでも不適切なのではと私は感じます。もし同じペースで取り組ませていきたいのであれば、その理由等を丁寧に子供や保護者に説明する必要があるでしょう。丁寧に説明しても間違える場合があるでしょう。そうした場合は、次から気を付けるように伝えることが大切であり、やったものを消させるのは少し違うように思います。

教育方法が大きく変化


 「個別最適化」や「GIGAスクール構想」等の言葉が学校でよく聞かれるようになっています。昨今の教育現場では教育方法に大きな変化が出てきています。明治期以来100年以上取り組んできた紙の教科書、ノート、そして黒板等を用いてきた学習の取り組み方が1人1台のタブレット/PC端末によって変化が生じています。コロナ流行に際しても、学校を休校にするのではなく、オンラインで授業を実施している学校はたくさんあります。宿題に関してもこれまでとは少し考え方を変えていく必要があるのではと感じます。学級の子供が一律に取り組む宿題も必要なのだと思いますが、これまで以上にその子供に合った(苦手な部分を取り組む、好きな部分をさらに調べる等)宿題が増えてくるのだと思います。

 本企画では、読者の皆さまからの質問を受け付けています。下記のボタンをクリックして表示されるフォームより送信ください。実際に学校へ寄せられた相談の他、保護者が学校へ伝えた相談等、鈴木先生に対応方法を聞いてみたい相談事例を募集します。

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鈴木 邦明(すずき くにあき)


平成7年 東京学芸大学教育学部 小学校教員養成課程理科専修卒業。平成29年 放送大学大学院文化科学研究科生活健康科学プログラム修了。神奈川県横浜市、埼玉県深谷市で計22年、小学校教諭として勤務。現場教員として子供たちの指導に従事する傍ら、幼保小連携や実践教育をテーマとする研究論文を多数発表している。こども環境学会、日本子供学会等、多くの活動にも関わる。平成29年4月からは小田原短期大学特任講師、平成30年4月からは帝京平成大学講師として、子供の未来を支える小学校教諭、幼稚園教諭、保育士等の育成や指導に携わる。
《鈴木邦明》

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