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【大学入学共通テスト2022】河合塾が動向分析…国公立大は文低理高、出願予定者は微減

 河合塾は2022年1月20日、大学入試情報サイト「Kei-Net」の2022年度大学入学共通テスト特集に「国公立大 全体動向」を公開した。2022年度大学入学共通テストを踏まえ、国公立大の前期日程の出願予定者は微減、後期日程は前年比92%と大きく減少。

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国公立大志望動向(全体概況)
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 河合塾は2022年1月20日、大学入試情報サイト「Kei-Net」の2022年度大学入学共通テスト特集に「国公立大 全体動向」を公開した。2022年度大学入学共通テストを踏まえ、国公立大の前期日程の出願予定者は微減、後期日程は前年比92%と大きく減少。志望動向は「文低理高」の傾向にある。

 「国公立大 全体動向」によると、2022年度の国公立大出願動向の予測に大きな影響を及ぼす大学側のおもな動きとして、「募集人員の変更」と「志願者数の隔年現象」の2つがあげられるという。学部・学科の新設や改組、後期日程の廃止・縮小や学校推薦型・総合型選抜の拡大等により一般選抜の募集人員を減らす傾向が続いており、募集人員に変更があった学部・学科は志願者数は前年並みでも倍率は変動するため注意が必要。志願者数が1年おきに増減する隔年現象は、医学科や科目数の少ない公立大を中心に各地でみられるという。

 「共通テストリサーチ」のデータをもとに国公立大学の志望動向をみると、前期日程の志望者は前年(2021年)比98%と微減、後期日程は前年比92%と大きく減少。後期日程の廃止・縮小による影響以上のダウンとなっており、共通テストの結果が振るわず出願を敬遠しているようすがうかがえる。

 学部系統別の志望動向では、文系学部全体の出願予定者数は前年比96%、理系学部は99%と「文低理高」の傾向に。文系の中でも「社会・国際」「経済・経営・商」の減少率が大きく、「法・政治」は前年比101%と安定して志望を集めている。理系では、「理」「農」に出願予定者が堅調に集まっており、近年人気が高かった工学系の「通信・情報」分野や学際系の「情報」分野は、前年並みとなった。

 その他、「歯」前年比106%、「薬」前年比108%と、資格系分野に人気が集まっており、共通テストの平均点ダウン等により「獣医」「医」といった難関学部系統を避ける傾向は見られるものの、新型コロナウイルス感染症収束の見通しが立っていない中で就職に直結する資格系の学部を志望する受験生が依然として多い傾向がみられた。

 旧帝大を中心とした難関10大学の大学・学部別の志望動向によると、北海道大学、東京大学、東京工業大学、一橋大学、京都大学で前年を上回る出願予定者が集まった。東京大学の出願予定者は前年比105%。共通テストの平均点が大きくダウンする中でも強気に出願を検討する受験生が多く見られるものの、前年の第1段階選抜の基準が他科類と比べて高かった文科三類と、前年の合格最低点が二類よりも高かった理科一類は敬遠され、出願予定者が減少している。京都大学は大学全体で101%と前年並み。文低理高の傾向が同様に見られる中、共通テストで平均点が下がった数学と理科を合否判定に利用しない「工学部」は前年比108%と出願者数が大きく増加した。

 系統別では「法」「農」「歯」等で出願予定者が前年より増加しており、国公立大全体の志望動向と同様の動きがみられる。難関10大学では、共通テストの平均点ダウンによって敬遠し、極端に志願者が減少するといったようすは見受けられないという。

 各大学のボーダーラインや出願予定者の成績分布は、河合塾の「2022年度大学入学共通テスト特集」にて確認できる。河合塾では、受験生に向けて「2次試験までの1か月間をどのように過ごすかがとても重要になってきます。特に今年は共通テストで思うように得点できなかった受験生が多くなっています。気持ちを切り替えて、この後の私立大一般入試、国公立大2次試験の準備に集中しましょう」とアドバイスしている。
《畑山望》

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