三重大学は、2028年度(令和10年度)入学者選抜から、工学部総合工学科情報工学コースに女子枠を導入すると発表した。理工系女性人材育成のため、女子を対象とする学校推薦型選抜として、5人を募集する。
三重県を含む東海エリアは、自動車産業や半導体産業、石油化学工業をはじめとする工業地帯で、情報工学を中核とする技術の需要が急速に高まっている一方、IT人材は不足が見込まれており、女性のIT分野への参入が期待されているという。
三重大学工学部の女子入学比率は2割程度。社会が求める女性人材などが十分に確保できていない状況を踏まえ、工学部総合工学科情報工学コースへの女子枠の新設を決めた。女子を対象とする学校推薦型選抜「推薦4(女子特別選抜)」として、大学入学共通テストを課さず、書類審査と面接で選考する。募集人員は5人。2027年度(令和9年度)に実施する2028年度入学者選抜からの導入となる。
出願要件は、「自身の将来のビジョンを明確にもって科学技術(特に情報工学分野)に強い関心と学修意欲を有する者」「SSH指定校を卒業もしくは卒業見込みの者、あるいは先進的な科学技術等の課外活動に積極的に取り組んでいる者」「高等学校もしくは中等教育学校等における数学・理科(物理基礎、物理または化学基礎、化学)・情報・外国語(英語)のそれぞれの評定平均値が3.5以上の者」。高校や中等教育学校から推薦できる人数の上限は2人。
三重大学では、2025年度(令和7年度)入学者選抜において、工学部総合工学科電子情報工学コースに初の女子枠を導入している。女子枠の実施について三重大学は「単に女子学生の増加を図るだけにとどまるものではなく、これを契機に、これまで以上に男女がそれぞれの個性を理解し、尊重することで学び合う環境をより充実させることを目指している」と説明。多様な人材の育成・輩出に期待を寄せている。

 
    







 
         
         
         
        
 
     
           
           
           
           
           
           
          