ソニーグループと日本旅行は2021年11月4日、超小型人工衛星を活用した学校・教育機関向け体験プログラムを共同開発すると発表した。国内の高校にて実証実験を行った後、修学旅行のコンテンツや単体教育パッケージとして販売・事業化を目指す。 現在ソニーは、東京大学、JAXAと共に「宇宙感動体験事業」の創出に向けた共同開発および技術実証を進めており、2022年度にはカメラ機器を搭載した超小型人工衛星の打ち上げを予定している。 一方、日本旅行は宇宙事業推進チームを擁し、多くの学校へ先端科学技術をテーマにした独自の学校向け探究体験プログラム「ミライ塾」を有償提供しており、将来の進路を考える中高生に、宇宙産業、先端科学技術産業を身近に触れる機会を提供している。 今回、ソニーと日本旅行は両社の特長や強みを生かした新たな体験プログラムの共同開発に着手。次世代を担う中高生が新たな科学の芽や創造性を育むことを願い、これまで一部の人々や企業にしか触れられない遠い存在として見られてきた宇宙を、自分たちを取り巻く身近な環境の1つとして認識、実感できるプログラムの開発を進めていくという。 開発を進める超小型人工衛星を活用した体験プログラムでは、カメラ機器を搭載した超小型人工衛星を用いて、宇宙からの視点を地上からリモートかつリアルタイムで自由に操作する新たな体験を提供する。 また、共同で実施する実証実験は、ソニーが独自に開発した撮影シミュレータを用いて高校にて実施。生徒は、それぞれの視点や感性に基づいて疑似的に宇宙から地球を撮影し、作品づくりに挑戦する。作品の一部は超小型人工衛星の打ち上げ後に実際に撮影を行い、生徒たちに届ける予定だという。実証実験を通じて得た生徒からのフィードバックや、生徒たちの意識変容を観察することで、事業化に向けた検討を進めていくとしている。