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教員の力で子供を守る「自殺対策支援プロジェクト」横浜市大

 神奈川県内の精神医療を担う横浜市立大学精神医学教室は2021年9月8日、県内の中学校・高等学校の教員を対象とした「神奈川県学校自殺対策支援プロジェクト(ReSPE-K)」を開始した。子供の自殺予防のために必要な知識や偏見解消といった全3回の教育プログラムを提供する。

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神奈川県学校自殺対策支援プロジェクト(ReSPE-K)
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 神奈川県内の精神医療を担う横浜市立大学精神医学教室は2021年9月8日、県内の中学校・高等学校の教員を対象とした「神奈川県学校自殺対策支援プロジェクト(ReSPE-K)」を開始した。子供の自殺予防のために必要な知識や偏見解消といった全3回の教育プログラムを提供する。

 新型コロナウイルス感染症の蔓延によりメンタルヘルスの問題を抱える子供が増加している。夏休み明けが子供の自殺がもっとも増加する時期と言われている一方、学校教員の自殺予防に関する知識と経験は十分とはいえないという。横浜市立大学精神医学教室は、子供の自殺予防の実践のため、学校教員の自殺に関する知識定着と偏見解消を狙った教育プログラム「神奈川県学校自殺対策支援プロジェクト(ReSPE-K)」を開始した。

 ReSPE-Kの目的は、「学校で過ごす生徒たちの自殺リスクを学校教員の先生方と共に軽減する」こと。「精神医療編」「心理支援編」「社会支援編」の自殺に関する3つのテーマに基づいた講義を通して、児童・青年期の自殺に関する正しい知識を身に付け、適切な自殺予防・対応、医療機関との連携ができることを目指している。いずれの講義でも、精神科医が情報提供するだけでなく、精神科医とのディスカッション・事例検討が盛り込まれており、講義終了後には精神科医が学校現場での困りごとについて相談に応じる。

 プロジェクトでは、2年間を通して全3回の講義すべてを受講。初回講義から1年をあけて2回目を、さらに4~6か月あけて3回目を行う。途中、自殺予防に役立つ情報を記載した資料提供も実施。プロジェクトによる学校教員の自殺に関する偏見を減らすことへの効果測定のため、知識提供前後にアンケートを行い調査するという。

 講義はオンラインで実施するが、学校の事情に応じて精神科医による出張講座も可能。随時県内の中学校・高等学校からの参加希望を受け付ける。問合せは、横浜市立大学附属市民総合医療センター・高度救命救急センターの宮崎秀仁助教まで。問合せ先はWebサイトから確認できる。
《畑山望》

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