立命館アジア太平洋大学(APU)は2021年度より、外国人留学生(国際学生)の学部入試、大学院入試において学生募集・出願システム「Slate」の本格運用を開始した。アジアの大学では8校目、国内の教育機関では初導入となる。 Slateは、 Technolutions社が開発した入学者管理、学生の成功、進学のための包括的なプラットフォーム。高等教育機関専用に設計・開発されており、現代の学生や寄付者のコミュニケーションサイクルに幅広く深く対応できる。北米、欧州等において1,400校以上で導入実績があり、アジアの大学では8校目、国内の教育機関では初めての導入となる。 APUでは世界中から国際学生を呼び込むため、新型コロナウイルス感染症蔓延以前の2018年から、外国人留学生向けの入試(国際入試)のDX(デジタルトランスフォーメーション化)を段階的に進めてきた。これまでに出願・入学手続書類の9割をオンライン化しており、今回のSlateの運用開始はAPUの入試システムDX化の集大成になるという。 APUの国際入試では、志願者や学部生等が世界100か国以上に散らばっている。その高校生らへの適切なアプローチが出願につながる重要な要素であるが、従来型では情報の分断、自筆署名書類の発送等の煩雑さが課題となっていた。 Slateを含めたDX化が進められることで、志願者がストレスなく問合せや入試関連イベントへの参加、出願、面接、合格発表、入学手続までを同一プラットフォームで完結できる仕組みが整った。情報を管理するAPU側も、志願者との接触の増加や、出願促進の定例化等による適切なアプローチが実現する。 たとえば、マーケティングは各国・地域担当者に依存していたが、DX化によりイベン登録、質問等で集まった興味層をSlateで一元管理が可能になった。各国・地域担当者がその情報を活用し、フォローアップが必要な個人へのアプローチ、興味層への自動メール配信設定が実現する。情報配信の漏れがなくなり、業務負担の約20%軽減にもつながっている。 APUの米山裕副学長は、「コロナ禍で国際的な移動が実質的に止まる中でも、多くの留学生がAPUへの入学を選択し、コロナ禍によるマイナスのインパクトを最小化できたのは、APUの教育の魅力とともにSlateによる国際アドミッション(入試)のDX化の効果だったと考えています」とコメントしている。