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【EDIX2021】子どもたちの創造性を育むSTEAM/探究教材

 今回のEDIXでは、近年、注目が高まる「STEAM Science(科学)、Technology(テクノロジー)、Engineering(工学)、Arts(芸術)、Mathematics(数学)」に関連した子どもたちの創造性を育む教材が数多く出展された。注目の出展製品を紹介する。

教材・サービス 授業
さまざまなセンサーでリアルタイムにデータを見える化する「アーテックロガー」(アーテック)
  • さまざまなセンサーでリアルタイムにデータを見える化する「アーテックロガー」(アーテック)
  • Microsoft Hacking STEM対応キット「風力発電測定キット」(アーテック)
  • 「Yomokka!(よもっか!)」のトップ画面(ポプラ社)
  • 来場が難しい教育関係者向けのオンライン配信が実施された(ポプラ社)
  • 「ENAGEED CORE」と「ENAGEED BASE」(エナジード)
  • 「ものづくり」の経験を重視(次世代商品開発研究所)
 今回のEDIXでは、ICTを活用した子どもたちの創造性を育む教材が目立った。なお「STEAM」とはScience(科学)、Technology(テクノロジー)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)にArts(芸術)あるいは liberal Arts(リベラルアーツ)を加えた探究的・教科横断的な学びを表し、近年、注目が高まっている。以下に注目の出展製品を紹介する。

ものづくりの要素から興味・関心を引き出す教材が特長の「アーテック」



 教育総合メーカーとして60周年を迎えた「アーテック」はSTEAM教育の教材も数多く出展。2021年7月の発売が予定されているGIGAスクール対応の「アーテックロガー」は、小型のセンサーで気圧や気温、水温、電流、電圧、超音波などのリアルタイムに測定したデータを、Bluetoothを利用しワイヤレスで端末に表示させることができる。測定するようすを実際にカメラで映して端末に表示すれば、実際の実験とデータの変化が体感できる。おもに理科の授業での使用が想定されているが、アイデア次第でプログラミングとの組み合わせなどにも活用シーンが広がるだろう。

さまざまなセンサーでリアルタイムにデータを見える化する「アーテックロガー」(アーテック)
さまざまなセンサーでリアルタイムにデータを見える化する「アーテックロガー」(アーテック)

 2021年4月に発売された「Microsoft Hacking STEM対応キット」は、自然科学などをテーマとして、さまざまなデータをベースにプログラミングや探究的な学びができるという、マイクロソフトが世界中で展開するカリキュラムに対応している。ブースでは、第1弾の「風力発電測定キット」が展示された。このキットの開発にあたり、宮城教育大学の安藤明伸教授が宮城教育大学附属中学校で行った実践授業では、他教科とのつながりを生徒が意識できたという。またブロックにより形態が変えられるので、実験を通じたトライ&エラーが容易に実現できる。

Microsoft Hacking STEM対応キット「風力発電測定キット」(アーテック)
Microsoft Hacking STEM対応キット「風力発電測定キット」(アーテック)

学校での読書体験をアップデートする「Yomokka!」



 児童書・一般書出版のポプラ社が2021年7月から無料トライアル開始を予定している「Yomokka!(よもっか!)」は、小学校・中学校向けの電子書籍読み放題サービス。今年度はさまざまなジャンルから選定されたポプラ社の作品、1,000冊の掲載が予定されている。今後はポプラ社だけでなく他出版社の作品も順次公開していき、本だけではなく朝日小学生新聞の記事も読むことができるようになるという。1人1台端末を活用した時事・社会問題に関連した授業では有効な教材になると考えられる。

 電子書籍のため学校図書室で貸出中の本も読むことができ、また本好きの子どもだけでなく、「みんなのランキング」や「きょうの1さつ」などで、ひとりひとりにあった興味や関心を引き出す仕組みもある。

「Yomokka!(よもっか!)」のトップ画面(ポプラ社)
「Yomokka!(よもっか!)」のトップ画面(ポプラ社)

来場が難しい教育関係者向けのオンライン配信が実施された(ポプラ社)
来場が難しい教育関係者向けのオンライン配信が実施された(ポプラ社)

5教科における本質的な学びの意義を見出す「ENAGEED BASE」



 エナジードは、5教科の学習意義を明確にして学習効率を向上させる中高生向けの副教材「ENAGEED BASE」を提供。中学や高校の学習指導要領に準拠した英語・国語・数学・理科・社会といった5教科をベースに、各教科の授業冒頭10分ほどの時間を使って、生徒自らが学ぶ意義を見出しながら、自らの可能性を広げることを目指す。同社がこれまで次世代型のキャリア教育「ENAGEED CORE」を提供するなかで、5教科のもつ本質的な部分の重要性に気付きを得た教材で、オリジナルの教材や指導書、動画、オンライン研修会などのサポートも手厚い。「ENAGEED CORE」と合わせて、先生自らがさまざまな気付きを得られると好評だという。

「ENAGEED CORE」と「ENAGEED BASE」(エナジード)
「ENAGEED CORE」と「ENAGEED BASE」(エナジード)

ものづくりの経験が進路に生きる「次世代商品開発研究所」



 野菜の育成やソーラー発電、自動運転カーなど、タブレット端末とものづくりを生かした教材を提供している「次世代商品開発研究所」。オリジナルのプリント基板やトランジスタ、IC、LEDなどの電子部品をもとに、はんだ付けも体験できる。対象はおもに小学生。「ミニやさい工場キット」では、LEDを点滅させるプログラミングで豆苗やカイワレ大根を育てることができ、育てた野菜はもちろん食べられる。組み立てや仕組みの解説は専用ページにアクセス。教材は日本語だけでなく英語版も用意されている。電子工作とプログラミング、観察日記、食育、英語といった科目横断的な学びが実現。

「ものづくり」の経験を重視(次世代商品開発研究所)
「ものづくり」の経験を重視(次世代商品開発研究所)

 STEAMの中でもArt(芸術)が注目を集めているが、ミュージカルで有名な「劇団四季」がEDIXに登場したことが話題となっていた。ブースで話を聞くと、ミュージカルの裾野の広がりや芸術鑑賞に力を入れているとのことで、団体でのPTA行事や校外学習、教職員のレクリエーションでの利用が想定されている。今後は、芸術×ICTなどの出展も多くなるのではないかという予感もある。

 STEAM教育は、科目に偏らない幅の広さから、子どもたちのワクワクとした好奇心を引き出し、自ら学びに向かうきっかけを作る。好きなものをきっかけに自分の芯を作って、変化に対応できる生きる力を養う。今後もさまざまなSTEAMにおける取組みに期待したい。
《佐久間武》

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