政府の新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置を受け、文部科学省は2021年4月9日、大学の授業について、感染防止と対面・オンライン授業の両立という基本方針に変更がない考えを明らかにした。大学での感染事例の多くが、放課後の飲み会や部活動で起きているとし、学生の学修機会の確保に理解を求めた。 政府による「まん延防止等重点措置」では、4月5日から開始している宮城県、大阪府、兵庫県の区域に加え、4月12日からは東京都、京都府、沖縄県の区域に対してもまん延防止等重点措置を集中的に実施することを求める。 文部科学省は、2021年度における大学の授業実施等について、十分な感染対策を講じたうえで対面授業の実施や学内施設の利用機会の確保など、学生の学修機会や環境の確保のため、必要な取組みを行うよう各大学に求めている。 一方、東京都の小池百合子知事はまん延防止重点措置に関連した取組みとして、大学に対して、感染防止を最優先する観点から、オンラインを積極的に活用するよう要請する考えを表明している。 4月9日に会見した文部科学省の萩生田光一大臣は「引き続き、学生の学修機会の確保と感染対策の徹底の両立を図っていただきたいと考えている」と述べ、まん延防止等重点措置地域でもこれまでの方針に変更がない考えを示した。 感染防止については、「大学における感染の事例の多くが授業中ではなく、放課後の飲み会や部活動等の課外活動において発生していることも踏まえ、そのような感染リスクが高まる場面での注意喚起や感染対策の徹底を求めてきたところであり、地域の感染の状況にも留意いただきながら各大学には一層の対策をお願いしたい」と語った。 さらにコロナ禍での1年間、学生が大学に行けず苦労した実態にも理解を示し、「対面授業の再開は歓迎すべきことだと思う」とも発言。感染対策への配慮も求めながら「対面とオンラインのハイブリッドで対応していただくよう引き続きお願いしたい」と述べた。