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公立高校の端末整備、年度内完了見込みは12県のみ

 公立高校の学習者用端末の整備について、2020年度(令和2年度)末までに完了見込みの自治体は12県にとどまることが、文部科学省の調査結果から明らかになった。文部科学省は2021年3月12日、都道府県教育委員会などに高校段階のICT環境整備の促進について通知を出した。

教育行政 文部科学省
高等学校における学習者用コンピューターの整備について
  • 高等学校における学習者用コンピューターの整備について
  • 公立高校における端末の整備状況(見込み)について(都道府県別)
 公立高校の学習者用端末の整備について、2020年度(令和2年度)末までに完了見込みの自治体は12県にとどまることが、文部科学省の調査結果から明らかになった。文部科学省は2021年3月12日、都道府県教育委員会などに高校段階のICT環境整備の促進について通知を出した。

 GIGAスクール構想の実現に向けて、文部科学省では小中学校段階に限らず、高校(中等教育学校の後期課程および特別支援学校の高等部を含む)段階でもICT環境整備が急務と考えている。高校段階の学習者用コンピューター整備は、学校設置者が学習者用コンピューターを一般財源や新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金などの財源で調達、個人の端末の持ち込み(BYOD)など、多様な実情を踏まえた取組みがすでに開始されている。

 そのため、文部科学省は2021年1~2月、全都道府県教育委員会を対象に公立高校における学習者用コンピューターの2021年3月末の整備見込みについて調査を実施。その結果、整備方針については47自治体中、42自治体が「1人1台端末を整備目標」とした一方、「2020年度中に完了」との回答は秋田県、群馬県、富山県、福井県、岐阜県、和歌山県、山口県、徳島県、愛媛県、佐賀県、長崎県、大分県の12自治体にとどまった。

 1人1台整備を目標とする42自治体のうち、2020年度または2021年度までに新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金などを活用して、設置者の費用負担で端末を整備するとした自治体は16団体(38.1%)。費用負担についてはこのほか、「保護者負担を原則」が15自治体(35.7%)、「検討中」が11自治体(26.2%)であった。

 3月12日に全国の学校設置者に出した通知では、調査結果を示すとともに、高校段階のICT環境整備にあたっての留意事項を明記。計画策定や費用負担、端末の選定や調達などに関する留意点を記している。また、ICT環境整備とあわせて検討すべき事項として、「教員のICT活用指導力の向上」「ICT活用を支える外部専門スタッフの活用」「情報セキュリティの確保」「校務におけるICT活用の促進」を取りあげている。
《奥山直美》

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