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遠隔授業での教科書利用、2021年度からの金額が決定

 文化庁は2020年12月18日、授業目的公衆送信補償金の額を認可した。遠隔授業で教科書などの著作物を利用する際、2021年度以降は有償となる。金額(年額)は、小学校が120円、大学が720円など。

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授業目的公衆送信補償金の分配スキームの概要
  • 授業目的公衆送信補償金の分配スキームの概要
  • 授業目的公衆送信を行う教育機関の設置者が支払う補償金額(年額)
  • 授業目的公衆送信補償金制度の本格運用までの流れ
  • 平成30年著作権法改正(授業目的公衆送信補償金制度)概要
 文化庁は2020年12月18日、授業目的公衆送信補償金の額を認可した。遠隔授業で教科書などの著作物を利用する際、2021年度以降は有償となる。金額(年額)は、小学校が120円、大学が720円など。

 新型コロナウイルス感染症に伴う遠隔授業のニーズに対応するため、改正著作権法第35条の施行による「授業目的公衆送信補償金制度」が当初の予定から早まり2020年4月28日に施行された。これにより、たとえば、予習・復習・自宅学習用の教材をメールで送信することや、リアルタイムでのオンライン指導やオンデマンドの授業において、講義映像や資料をインターネットで児童生徒に限り送信することが可能となった。

 授業目的公衆送信補償金制度は、文化庁長官の指定管理団体である「授業目的公衆送信補償金等管理協会」(SARTRAS:サートラス)に対し、教育機関の設置者が一括して補償金を支払う制度。新型コロナウイルス感染症の流行という事態の緊急性・重要性に鑑み、2020年度に限り、特例的に補償金額が無償とされていた。

 SARTRASは9月30日付けで2021年度以降の補償金額について認可申請を行った。文化審議会への諮問・答申を経て、2020年12月18日付けで文化庁長官により補償金額の認可が行われた。2021年度以降は有償となる。

 授業目的公衆送信を行う教育機関の設置者が支払う補償金額(年額)は、1人あたり幼稚園が60円、小学校が120円、中学校が180円、高校が420円、大学が720円。公衆送信の回数は無制限とする。

 今後、補償金の権利者への分配方法を含む業務の執行に関する規程についてSARTRASから文化庁長官への届出が行われるなど、2021年度以降の本格運用に向けた準備が進められる予定。3年経過ごとに検討を加え、定期的な見直しを行う。
《工藤めぐみ》

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