教育業界ニュース

東大と大成建設、深海やインフラ内部の謎に挑む研究拠点を開設

 東京大学と大成建設は2026年10月1日、東京大学大学院工学系研究科の附属施設として「プラネット・フロンティアイノベーション研究センター」を開設した。深海や大深度地下、社会インフラ内部などを「極限環境」と捉え、研究を通じて持続可能でレジリエントな社会の実現を目指す。

教育行政 その他
大成建設の田中会長(左)と東京大学藤井総長(右)
  • 大成建設の田中会長(左)と東京大学藤井総長(右)

 東京大学と大成建設は2026年10月1日、東京大学大学院工学系研究科の附属施設として「プラネット・フロンティアイノベーション研究センター」を開設した。深海や大深度地下、社会インフラ内部などを「極限環境」と捉え、研究を通じて持続可能でレジリエントな社会の実現を目指す。

 同センターは、東京大学大学院工学系研究科に設置された研究組織。東京大学と大成建設が連携し、直接観測や人的介入が難しい領域に共通する工学的課題に取り組む。大成建設からの寄付を原資とするエンダウメント型の運営基盤を活用し、分野横断的な研究を長期的かつ安定的に進める。

 研究対象となる「極限環境」には、深海や大深度地下などの未踏領域に加え、都市の建築ストックや社会インフラの構造内部など、物理的な接近や情報取得に制約がある領域も含まれる。限られた間接情報から対象の状態を把握し、内部で起こる反応や物質の移動を解明することで、将来の変化を予測・制御し、資源の利活用や構造物の維持管理などにつなげる。

 研究では、共通の学理・技術基盤として「四次元透視」「反応・物質移動の解析・制御」「革新材料」の3領域を設定。これらをAI・データ科学・数値解析技術で横断的に支える。

 「四次元透視」では、高密度の観測や数値解析、AIを組み合わせ、対象内部の状態を空間的な3次元だけでなく時間軸も含めて把握・予測する。「反応・物質移動の解析・制御」では、地層や構造物内の反応と物質移動を解明し、資源の分離・転換・循環利用や、物質の貯留・鉱物化・管理などに生かす。「革新材料」では、長期にわたって性能を維持し、資源循環にも貢献する材料の開発を目指す。

 研究部門は「インフラ・空間創生部門」と「フロンティア資源・エネルギー部門」の2部門。センター長は、東京大学大学院工学系研究科教授の石田哲也氏が務める。

 エンダウメント型研究組織は、寄付金を原資として運用し、その運用益を研究活動に活用する仕組み。東京大学は、この仕組みを通じて継続的な財源を確保し、学術的な自律性を保ちながら長期的な研究や次世代の人材育成を進める。

《川端珠紀》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top