お茶の水女子大学は2026年7月1日、2027年度以降入学者の授業料改定案を公表した。授業料を2割値上げし、10万7,160円増の年額64万2,960円とする改定案で、学士課程では2027年4月入学者から適用するとしている。
お茶の水女子大学は、1875年創設の女子教育のフロントランナー。国立大学法人化以降、運営費交付金の確保、外部資金の積極的な獲得、自己収入の増加、諸経費の見直しなどに努めてきたが、近年の物価や人件費の上昇に加え、教育研究設備およびICT環境の急速な高度化など、大学を取り巻く環境は大きく変化。質の高い教育学修環境を将来にわたって持続的に提供するため、基盤的かつ安定的な財源となる授業料の改定について、慎重に検討を進めていることを明らかにした。
授業料の改定案によると、学士課程と博士前期課程では、国立大学授業料の標準額と同額である現行の53万5,800円から、法令で規定された上限20%増にあたる年額64万2,960円となる。改定時期は、学士課程が2027年4月入学者から、3年次編入生は学年進行とあわせて2029年4月入学者以降から、博士前期課程は2028年4月入学者から適用する。
一方、博士後期課程は現行の年額53万5,800円のままとし、改定しない。2026年度以前に入学した学部生、2027年度以前に入学した博士前期課程学生については、この課程に在籍している間は現行の授業料の金額を適用する。入学料・検定料は改定しない。
経済的理由で進学や修学の機会が損なわれないよう、授業料の改定案とあわせて、意欲ある学生が安心して学び続けられる支援策についても検討。大学独自の奨学金制度の支給期間拡充や増額、「高等教育の修学支援新制度」の授業料減免に採用された学生に対する授業料減免額の拡充などの取組み案を示している。
改定案が全学年に適用される2030年度の完成年度には、約2.7億円の増収が見込まれている。大学では、授業料改定による増収を活用し、学務システム刷新による利便性の向上、老朽化した施設の更新、情報基盤システム更新による学内ネットワーク・システム強化など、学生ひとりひとりに寄り添った教育学修環境の改善を図り、AI・デジタル技術の発展や多様化する社会課題に向きあいながら、新たな価値を創造する女性リーダーを育成するとしている。
6月下旬には、教職員や学生向け説明会も実施。今後は、7月から9月にかけてステークホルダーの意見を収集。10月末をめどに授業料改定について最終的な決定を行い、公表する見通しとなっている。大学Webサイトでは、9月15日まで問合せフォームから、授業料改定案に関する意見や要望を受け付けている。









