東京23区内の大学の定員増を原則禁止する法律が2028年3月末で期限を迎えるにあたり、継続の是非を含めた協議を進めるため、政府は2026年6月4日に第1回会合を開いた。今後、地域における若者の修学・就業状況を分析し、秋ごろまでに議論を取りまとめる。
全国の大学の学部生は、2025年時点で約26.4%が東京都に集中しており、そのうち19.1%が東京23区に所在している。一方で、2040年には18歳人口が74万人まで急減すると予測されており、仮に2021年度の定員規模を維持したまま対策を講じなければ、2040年には全国25道府県で定員充足率が30ポイント以上悪化し、特に青森県(マイナス44ポイント)や岩手県(マイナス43ポイント)などで深刻な影響が生じることが懸念されている。
6月4日に開催された有識者会議は、「地方大学・産業創生法(地域における大学の振興および若者の雇用機会の創出による若者の修学および就業の促進に関する法律)」の施行状況を検討する第1回会合。同法は、地方大学の振興と若者の雇用創出を一体的に進めることで、地方での修学や就業を強力に促進することを目的に、10年間の時限措置として2018年に施行された。東京都への一極集中を防ぐため、23区内の大学の定員抑制などの措置も盛り込まれている。
同法ではこれまで、「キラリと光る地方大学」などの交付金制度を通じて、地方大学の振興と若者の雇用創出を支援してきた。地方公共団体が域内企業への就職者の奨学金返還を支援する取組みも進み、地方での産業振興や学生支援の枠組みを構築した点で一定の成果を上げている。一方で、東京への転入超過は依然として10代後半から20代前半が約9割を占めており、若者の流れを変えるまでには至っていない。
有識者会議では今後、東京23区内の大学の定員増の制限を継続するかどうかを含め、18歳人口の急減を見据えた大学の規模や配置の在り方について議論し、秋ごろまでに今後の対策を取りまとめる予定。
一方、有識者会議で定員増制限の継続の是非が議論されるなか、東京都は規制の撤廃を求める姿勢を示している。
小池百合子知事は、議論が始まったことを受けて同日、東京23区内の大学の定員増を制限する法律撤廃を求めるコメントを発表した。23区内にある大学が場所だけを理由に定員増や学部・学科の新設、キャンパスの移転・再編が妨げられていることについて、「学生の学びと成長の機会を奪うのみならず、大学ひいては我が国の国際競争力の低下につながりかねない」「内向きの政策を続けていては熾烈な国際競争を勝ち抜くことはできない」などと批判している。














