大日本印刷(DNP)と神戸松蔭大学は2026年5月8日、マンガやアニメなどのIP(知的財産)領域におけるクリエイティブ創出からビジネス構築までを担う人材の育成を共同で推進するため、連携協定を締結した。ファッション・ハウジングデザイン学科「IPプロデュースコース」のカリキュラム設計などで協働する。
経済産業省がアニメやマンガなどのコンテンツ産業の海外売上高を2023年の5.8兆円から、2033年に約20兆円まで拡大することを掲げる中、国内コンテンツホルダーの収益最大化や海外展開に向けたビジネス構築が課題となっている。IPを創出する能力だけでなく、情報発信や海外流通のノウハウ、利益確保のための仕組みづくりなど、全体を俯瞰してビジネス開発を推進できる人材の育成が必要とされている。文化庁も産学官連携による教育の強化や実践的な育成プログラム構築を支援している。
神戸松蔭大学は、IPの創出からビジネス構築までを担う人材「IPジェネラリスト」の育成に取り組み、これらを一貫して学べるファッション・ハウジングデザイン学科「IPプロデュースコース」を2026年4月に開講した。同コースは、日本芸術文化振興会による文化芸術活動基盤強化基金「クリエイター等支援事業(育成プログラム構築・実践)」の採択を受けて設立された。一方、大日本印刷はIPの魅力や価値を最大化し、さまざまな体験へと変換するコンテンツビジネスを展開している。AIなどの最先端技術、IPの権利許諾、海外展開における各国の法律、国内外の流通、海賊版対策などの包括的な知見を有しており、人材育成にも取り組んでいる。※ファッション・ハウジングデザイン学科は、2027年4月に「ファッション・ウェルネス学科」へ名称変更する
今回の連携協定では、大日本印刷のリソースを活用した大学のカリキュラムを開発する。IPビジネスの企画・制作から展示・発信までのビジネスフローを一体的に学べる多様なプログラムを共同開発し、学生がIPビジネスを体験できる機会を提供する。大日本印刷独自のアニメ制作手法「ライトアニメ」の企画・制作工程を体験するプログラムや、IPを活用した企画展の開発・運営を学ぶプログラムを実施する。また、メタバースや多様な視点で情報や作品を紹介できる「DNPコンテンツインタラクティブシステム みどころキューブ」など、IPの新しいコミュニケーション手段を学ぶプログラム、多様な素材への印刷やフィルムなどの加工・成形などのモノづくりを学ぶプログラムなども予定している。
さらに、大学が保有する独自のIPである「神戸松蔭タータン」などを生かした新しい商品・ビジネスの共同開発を行う。「IPジェネラリスト」の必要性および大学独自の人材育成について広く発信し、IPの活用を通じた多様な取組みによって大学のブランド向上を図る。両者は、双方の知見やノウハウを生かしたIP人材育成の取組みを深化させ、産学連携による次世代教育、新規事業創出などの継続的な価値創出を目指すとしている。








