文部科学省は2026年1月14日、公立学校施設における木材利用状況の調査結果を公表した。2024年度に新しく建築された公立学校施設515棟のうち、408棟(79.2%)で木材が使用されていることがわかった。
今回、2024年度における木材利用状況を取りまとめた。調査対象は、全国の公立学校施設(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校)。調査項目は、木造施設の整備状況および非木造施設における内装木質化の状況、学校施設の木材使用量について実施した。
2024年5月1日時点での全施設数は35万9,033棟で、このうち木造施設数は3万33棟(8.4%)となっている。
2024年度に新しく建築された全学校施設515棟のうち、木造施設は90棟(17.5%)、非木造施設は425棟(82.5%)だった。非木造施設のうち318棟(61.7%)で内装木質化が行われており、木造施設と内装木質化を合わせると408棟(79.2%)で木材が使用されていることが明らかになった。
学校種別でみると、幼稚園では新築施設22棟のうち10棟(45.5%)が木造施設となった。小学校は243棟中30棟(12.3%)、中学校は119棟中16棟(13.4%)、義務教育学校は40棟中8棟(20.0%)、高等学校は57棟中19棟(33.3%)、特別支援学校は34棟中7棟(20.6%)が木造施設だった。
建物用途別では、校舎・園舎が287棟でもっとも多く、このうち34棟が木造施設となった。屋内運動場は63棟中2棟、武道場は7棟中3棟、寄宿舎は12棟中10棟が木造施設として整備された。
2024年度に整備された学校施設および改修を行った学校施設では、合計3万6,681㎥の木材を使用した。このうち1万2,894㎥(35.2%)が木造施設で、2万3,787㎥(64.8%)が非木造施設の内装木質化等において使用された。
国産材の使用状況をみると、木造施設では1万448㎥(81.0%)、非木造施設の内装木質化では1万2,356㎥(51.9%)が国産材だった。全体では2万2,804㎥(62.2%)が国産材となっている。
木材使用による炭素貯蔵量は、スギ材として試算すると約2.2万t-CO2となり、約1.2万人が1年間に排出する二酸化炭素量を貯蔵する計算になる。
文部科学省では、木造校舎の整備や内装の木質化に対する国庫補助を実施しているほか、関係省庁と連携しながら講習会等を通じて木材を活用した学校施設づくりを普及・啓発している。新増築事業、改築事業、大規模改造事業等において、公立学校施設の木造化および内装木質化の補助を行っており、国庫負担率は新増築で2分の1(原則)、改築・大規模改造等で3分の1(原則)となっている。地域材を利用して木造施設を整備する場合は、補助単価を5.0%加算する措置も設けている。
調査では、木造校舎を整備する際に実施した工夫についてもアンケートを実施した。事例として紹介されているのは、北海道上川町立上川町認定こども園、秋田県秋田市立日新小学校、大阪府松原市立ひだまりこども園、岡山県美作市立英田こども園、高知県四万十市立東山小学校、熊本県立熊本工業高等学校の6施設。
これらの事例では、防・耐火要件緩和の工夫として、準耐火建築物における燃え代設計の活用や、RC造の階段棟を配置して木造棟を3,000㎥以内に面積区画する方法、別棟解釈により「その他の建築物」とする方法などが紹介されている。
教育効果・地域貢献の工夫として、市有林の皆伐再造林材を利用することで森林の更新へとつなげる取組みや、建設工事そのものを木に関する環境教育に活用する事例、県産材・市産材の使用による地域経済の活性化への寄与などが報告された。
文部科学省は本調査結果を受けて、各地方公共団体に対して公立学校施設における木材利用の促進に関する通知を発出する予定。引き続き木造校舎の整備に対する国庫補助を実施し、関係省庁と連携を図りながら、講習会等さまざまな機会をとらえて木材を活用した学校施設づくりを普及・啓発していくとしている。









