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教職課程の必要単位数削減へ…強み専門性の養成へ移行案

 教職課程・免許・大学院課程ワーキンググループは2025年12月18日、「今後の教職課程や教員免許制度のあり方について(中間まとめ)案」において、教員免許取得に必要な科目を見直し、単位数を4~5割ほど削減する方針を示した。強みや専門性を学ぶ柔軟なカリキュラムへ移行を目指す。

教育行政 文部科学省
教員免許状の見直しを通じた教師集団の育成イメージ(案)
  • 教員免許状の見直しを通じた教師集団の育成イメージ(案)
  • 教職課程の見直しイメージ~「学び続ける教師としての基礎能力」の考え方(案)
  • <小学校>教育職員免許法施行規則の見直しイメージ(案)
  • <中学校>教育職員免許法施行規則の見直しイメージ(案)
  • <高等学校>教育職員免許法施行規則の見直しイメージ(案)
  • <幼稚園>教育職員免許法施行規則の見直しイメージ(案)

 中央教育審議会の教職課程・免許・大学院課程ワーキンググループは2025年12月18日、第4回会議において「今後の教職課程や教員免許制度のあり方について(中間まとめ)案」を示した。教員養成の質を維持・向上させつつ、学生の多様な学びや専門性の伸長を可能とするため、教員免許取得に必要な教科・教職に関する科目構成を見直し、単位数を4~5割ほど削減する方向性が示された。加えて、学生が自らの強みや専門性を高めることのできる柔軟なカリキュラムへと移行する方針。

 中間まとめ案では、現行の教職課程が「科目ごとの単位の積み上げ」を前提とし、全国でほぼ画一的な履修内容となっていることから、同質性の高い教員集団になっている点を指摘。大学・学生それぞれが目指す教師像を実現するため、自律的にカリキュラムをデザインするという発想に基づき、「学び続ける教師としての基礎能力」を軸とした教職課程の見直しの方向性を示した。

 具体的には、免許状取得に必要な教科および教職に関する科目を「教科(領域)等の指導法」と「教育および幼児、児童または生徒の理解」の2本柱に整理し、教育実習や教職実践演習を加えた必要単位数を、小学校一種免許状であれば現行の59単位から、35単位以上へと削減する案となっている。中高でも同等の削減案が出ており、関連する事項を横断的に学べるカリキュラム設計を促すとしている。

 削減にあたっては、内容の重複を整理し、デジタル教材やCBTを活用した事前・事後学習を組みあわせることで、単位数そのものを抑えつつ学修の質を高める方向性が示された。さらに、削減分の学修時間で、学生が自らの関心に応じた「強み専門性に係る内容」を20単位以上学修する、柔軟な教職課程の実現を目指す。さまざまな専門性や強みを持った教師がチームとなることで学校教育全体の質の向上を図り、教員のなり手不足の解消にもつなげたいねらい。

 今後は、中間まとめ案をもとに、学校種別ごとの作業部会において、各免許状における「教員免許状取得に必要な事項と単位数」を検討し、ワーキンググループの最終案として取りまとめる方針としている。

《畑山望》

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