イー・ラーニング研究所は、親世代を対象に「運動会開催時期の変化に関する意識調査」を実施した。その結果、約8割の親が運動会の開催時期を移行するメリットとして「熱中症リスクの低さ」をあげ、安全性を重視していることが明らかになった。また、保護者の約9割が「運動会は子供の心の成長や人間関係に良い影響を与える」と回答し、運動会の教育的価値を確認した。
同調査は、子供がいる親世代を対象に実施し、445人の回答を集計したもの。調査期間は2025年8月5日~8月29日。
調査では、親が考えるもっとも良い開催時期として「秋」が最多であり、未だに秋開催を望む親が根強く存在することが示された。「子供の運動会はどの季節に開催されるのが良いか?」という問いに対して、112人が「春」と回答する一方で、「秋」と回答したのは227人にのぼった。「年によって異なる」や「わからない」と答えた親もおり、運動会の開催時期について一概に決めきれない保護者が一定数いることも明らかになった。
一方で、開催時期移行の懸念点としてもっとも多かったのは、「練習の準備期間が十分に取れないのではないか」とする声であった。開催時期の見直しについては、子供の健康面の安全性のみを重視するのではなく、関係性を深める機会や準備時間も考慮することが必要と考えられる。
運動会が単なる行事ではなく、子供の心の成長に良い影響を与えるとの意識が強い。このことは、「協調性」や「チームワーク」「自己肯定感」など非認知能力の育成を評価する声に現れている。約9割の親が運動会が子供の心の成長や人との関わり方に良い影響があると考えていることから、保護者の大多数が学校行事としての運動会に高い価値を感じていることがうかがえる。
さらに、8割以上の親が「子供が楽しんで参加できる雰囲気を大切にできるか」と今後の運動会に期待している。たとえば「熱中症や天候への十分な配慮をした開催」や「多様な種目があり、運動が得意でない子も輝ける内容」といった点にも多くの支持が集まっており、親たちが運動会に求める本質は、安全面だけでなく、子供たちが楽しみながら特別な経験を得られることだとわかる。
今後は、安全性を考慮した運動会の開催に加え、「どうすれば安心して学びにつながり、思い出に残る行事として続けられるか」という視点が求められる。