あべ俊子文部科学大臣は2025年8月20日、夏休み明けを控えた子供たちに向けたメッセージ「~不安や悩みがあったら話してみよう~」を公表した。小学生から大学生、保護者・学校関係者に向けて、不安や悩みを1人で抱え込まず、身近な人に相談するよう、また注意して見守るよう呼びかけているほか、相談窓口の利用を促し、文部科学省としても支援体制を強化する方針を示した。
メッセージは、新学期を迎えるにあたり、子供たちが抱えるさまざまな不安や悩みに寄り添い、誰かに話すことで不安を解消することを目指している。あべ大臣は「久しぶりに会う友人との関係、将来に向けた進路や学業、家庭内の問題など、いろいろな不安や悩みを抱えている人もいるかと思います」と述べ、また「特に理由はなくても気力が湧いてこない、漠然とした不安を抱えている人もいるかもしれません」と、長期休業明けの子供たちの気持ちを気遣うメッセージを寄せた。子供たちに対して、ひとりでそうした悩みを抱え込まず、家族や友達、先生、スクールカウンセラーなどに相談するよう勧めている。
さらに、周囲の人に話しづらい場合には、電話やメール、ネットを通じた相談窓口の利用を推奨している。文部科学省は、子供たちの不安や悩みに寄り添いながら、子供たちが安心して学べる学校づくりに向けて、文部科学省一丸となって取り組む姿勢を示している。
メッセージでは相談窓口の紹介動画や、警察や児童相談所などの相談窓口一覧も記載されており、匿名での相談も可能。あべ大臣は「必ず味方になってくれる人がいます」と強調し、子供たちがためらわずに相談することを促している。
また、厚生労働大臣、こども政策担当大臣、孤独・孤立対策担当大臣と文部科学大臣の四府省庁大臣連名でのメッセージも発表。若い世代に対して「あなたの声を聞かせてください」と呼びかけている。身近な人に相談することで気持ちが楽になることもあるとし、周囲の大人には子供の小さなサインを見逃さず、声をかけるよう求めている。
長期休業明けは児童生徒の自殺が増加する傾向にあることから、新学期を迎えるにあたり、子供たちが安心して新しい環境に適応できるよう、文部科学省をはじめとする関係機関が連携して支援体制を整えている。相談窓口の活用を通じて、子供たちが抱える不安や悩みを少しでも軽減することが期待される。