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地域中核・特色ある研究大学強化促進事業に期待…文科相8/5会見

 文部科学省のあべ俊子大臣は2025年8月5日、記者会見を行い、油井亀美也宇宙飛行士のISS長期滞在を踏まえた今後の日本の宇宙活動への期待や、地域における医師の確保のための施策、初等中等教育段階における主権者教育の課題および改善方策、地域中核・特色ある研究大学強化促進事業への期待について語った。

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あべ俊子文部科学大臣記者会見(2025年8月5日)
  • あべ俊子文部科学大臣記者会見(2025年8月5日)
  • 軌道上記者会見のようす(Image by JAXA)

 文部科学省のあべ俊子大臣は2025年8月5日、記者会見を行い、油井亀美也宇宙飛行士のISS長期滞在を踏まえた今後の日本の宇宙活動への期待や、地域における医師の確保のための施策、初等中等教育段階における主権者教育の課題および改善方策、地域中核・特色ある研究大学強化促進事業への期待について語った。

 NASAの有人宇宙飛行ミッション「Crew-11(クルー11)」で、油井亀美也宇宙飛行士らを乗せた宇宙船「Crew Dragon(クルードラゴン)」が日本時間8月2日、国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキングに成功した。

 あべ俊子大臣は「無事到着したことを大変嬉しく思う」と述べ、今後、2030年ごろに民間主体で運用される宇宙ステーションを見据え、これまでのISSでの経験や技術を民間企業に継承し、宇宙開発の発展に取り組むことを強調した。老朽化が進む現ISSは、2030年に運用を終了予定で、米国は後継機の開発と運用を民間に委ねる方針だ。日本政府は、2026年度以降の早期を目途に、ポストISSにおける利用サービス提供企業の選定を行うことが必要になると想定。低軌道利用活動を持続的かつ安定的に行っていくため、米国同様に民間主体への移行を想定した活動が進められている。

 一方、地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会が7月30日に会議を開催し、医師不足や地域間の格差解消についての提言書が提出された。これを受け、あべ俊子大臣は「地域における医師の確保は喫緊の課題である」と述べ、文部科学省は厚生労働省と連携し、地域枠を中心に臨時的な増員を認めるなど、医師の確保に向けた施策を進める意向を示した。

 また、初等中等教育段階における主権者教育については、18歳・19歳の投票率が低いことを受け、政治参加の重要性や選挙の意義についての指導を強化する方針を示した。大学においても住民票移動の必要性や不在者投票制度について周知を図るなど、若者の投票率向上に向けた取組みを進める。さらに、地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)についても触れ、採択された25の大学に対し、今後の日本の研究力を担うことを期待していると述べた。

《川端珠紀》

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