Institution for a Global Society(IGS)は2025年6月27日、三菱みらい育成財団から「先生方向け【教科×探究】実践支援プログラム」に関して、カテゴリー5「主体的・協働的な学習を実践できる教員養成・指導者育成プログラム」に採択されたことを発表した。この採択を受け、教科横断的な探究の実践を目指す学校・教育委員会の募集を開始する。
助成期間は2025年7月から2026年3月までを第1期とし、2027年度までの3年間の継続が予定されている。プログラムは全国の中高一貫教育校・高等学校の先生方を対象に、探究的な視点を授業に取り入れるための実践力を高めることを目的としている。具体的には、PBL(Project Based Learning)の体験、教科横断型の授業設計、非認知能力・探究スキルの理解、教科への応用に向けた他の先生方とのディスカッション、アセスメントによる学習効果の可視化などを通じて、先生方の探究指導を進化させる。
プログラムのおもな構成は、探究で育てたい力(非認知能力・探究スキル)の理解とペアワークによる言語化、PBL型授業の体験(先生役・生徒役を交えたロールプレイ)+ディスカッション、教科に探究を取り入れる授業プランの設計・実践、フィードバック、事前・事後のアセスメントによる教育効果の可視化と振り返り。アセスメントは、IGSが提供する児童・生徒の非認知能力測定ツール「Ai GROW」および「数理探究アセスメント」を利用する。
対象は全国の中高一貫教育校・高等学校、教育委員会。定員は先生(担当教科問わず)計200名。対面形式で東京・大阪などで2日間の開催を予定しているほか、アセスメントはオンラインで実施する。
このプログラムは、IGSがカンボジアやウズベキスタンでアジア開発銀行(ADB)・東アジアASEAN経済研究センター(ERIA)と共に実施してきたプロジェクトのノウハウを活用して構成されている。IGSは今後3年間、三菱みらい育成財団の支援のもとでプログラムを継続的に展開し、全国の教育現場に寄り添いながら、先生と生徒が共に「心のエンジンを駆動させる学び」の実現に取り組む。
三菱みらい育成財団は、三菱グループ創業150周年を記念して2019年に設立された。次代を担う若者の育成を目的とし、グループ24社が10年間で100億円を拠出し、高校や大学、NPO法人等の教育プログラムに助成を行っている。2020年度から助成を開始し、2024年度までに延べ384機関、約22万7,000名が参加している。