名古屋大学は2025年6月18日、個人情報漏えいが起こった可能性があることをWebサイトで発表した。教員がサポート詐欺の被害に遭い、1,626名分の学生・生徒の個人情報が漏えいした可能性があるという。名古屋大学によると、現時点でこれらの個人情報が不正に流用された事実は確認できていない。
名古屋大学が公表した情報によると、4月13日に同大人文学研究科教員がパソコンでWebサイトを閲覧中、突然、大音量の警告音が鳴り、画面上に「ウイルスを検出した」とする警告表示が現れた。その表示では、アンチウイルスソフトによるウイルス駆除の実施およびサポート窓口への電話連絡が促されており、当該教員がその指示に従い操作したところ、第三者による遠隔操作を受け、パソコンに不正にアクセスされたという。
いわゆる、サポート詐欺の手口によるものと思われ、速やかにネットワークを遮断し、当該パソコンを調査したところ、1,626名分の学生・生徒の氏名や学籍番号、科目成績、メールアドレスなどの名簿が保存されていたことが判明。そのうち、969名分は附属学校生徒の個人情報だという。大学側は、保存されていた個人情報が漏えいした可能性があることを確認したとして、謝罪文面を公表した。
現時点で、これらの個人情報が不正に流用された事実などは確認されていないという。大学側は、名簿に記載されていた学生・生徒にメールまたは郵送で本件の概要説明と謝罪の意を伝え、対応窓口の設置や連絡先を案内している。
また、関係者に陳謝するとともに、今後は、個人情報保護や情報セキュリティに関する教育研修の充実を図り、構成員の意識向上を図るなど、再発防止に努めるとしている。