明日香が運営する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」は2025年5月16日、「2025年版不適切保育と社会的水準に関する定点調査」の結果を公表した。不適切保育のニュースをきっかけに92.7%の保護者が「保育現場の対応を以前よりも気にするようになった」と回答した。
「2025年版不適切保育と社会的水準に関する定点調査」は、2025年4月23日から24日にかけて、保育園に子供を預けている親109名を対象にインターネットで実施された。調査結果によれば、92.7%の保護者が不適切保育のニュースをきっかけに「保育現場の対応を以前よりも気にするようになった」と回答しており、2023年から7.4ポイント増加した。
具体的には、69.3%の保護者が「子供への普段の接し方を気にするようになった」と答えており、2023年から17.7ポイントの増加がみられる。また、保育士に対して「子供ひとりひとりの人格の尊重」を求める理由として、「自尊感情や自信の向上につながるから」が70.7%でもっとも多く、2023年から10.3ポイント増加した。
調査では、保護者が子供との接し方において社会的水準が高まっていると感じる具体的な部分についても質問が行われた。「優しい口調の声掛け」が56.6%で最多となり、ついで「子供への傾聴」が50.5%、「ひとりひとりを尊重した声掛け」が46.5%と続いた。
また、保育現場の対応に関して「気にするようになったこと」については、「子供への普段の接し方を気にするようになった」が69.3%で最多となり、ついで「保育現場の雰囲気を気にするようになった」が45.5%、「保育士が子供にどのような保育をしているのか気にするようになった」が41.6%と続いた。
保育園や保育士に対して求めることについては、「子供への笑顔や優しさ」が47.7%で最多となり、ついで「物事を強要しない配慮」が42.2%、「適度な声掛け」が39.4%と続いた。
今回の調査結果から、保護者の間で保育の質に対する意識が高まっていることが明らかになった。特に、子供ひとりひとりの人格を尊重することが求められており、保育者には専門性の向上と倫理観の醸成が求められている。行政による適切な監督体制の整備や、保護者と保育者の円滑なコミュニケーション環境の構築も不可欠である。保育の質向上は社会全体の責任であることをあらめて認識する必要があるとしている。