教育業界ニュース

就職活動の日程遵守や配慮要請…文科省が周知

 文部科学省は2025年5月7日、大学・短期大学・高等専門学校の卒業・修了予定者の就職について、就職問題懇談会の申合せをWebサイトに掲載した。学業に支障をきたさない円滑な就職・採用活動の実施に向け、遵守事項や留意点をあらためて周知している。

教育行政 文部科学省
令和8年度大学、短期大学および高等専門学校卒業・修了予定者に係る就職について(申合せ)
  • 令和8年度大学、短期大学および高等専門学校卒業・修了予定者に係る就職について(申合せ)
  • 就職・採用選考活動開始時期の遵守

 文部科学省は2025年5月7日、大学・短期大学・高等専門学校の卒業・修了予定者の就職について、就職問題懇談会の申合せをWebサイトに掲載した。学業に支障をきたさない円滑な就職・採用活動の実施に向け、遵守事項や留意点をあらためて周知している。

 就職問題懇談会は、学生の就職活動のあり方を検討・協議するため、国公私立の大学・短期大学・高等専門学校関係団体の代表者で組織。「令和8年度(2026年度)大学、短期大学および高等専門学校卒業・修了予定者に係る就職について(申合せ)」を定め、3月21日付で、国公私立の大学・短期大学・高等専門学校、経済団体・業界団体に発出した。

 申合せによると、就職・採用活動日程ルールでは、広報活動開始を「卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降」、採用選考活動開始を「卒業・修了年度の6月1日以降」、正式な内定日を「卒業・修了年度の10月1日以降」を原則とする。産学協議会が定義する「学生のキャリア形成支援活動(4類型)」のタイプ3のうち「専門活用型インターンシップ」を通じて判断される人材については、6月の採用選考開始時期にとらわれないこととする。

 経済団体・業界団体に対しては、大学などの学事暦に十分配慮し、就職・採用選考活動日程を遵守するよう要請。学生が安心して学業に専念できる学修環境の確保を前提とした採用選考活動を実施するよう、加盟企業などへの周知徹底を求めている。

 学生の採用選考にあたり、求人広告会社や就職支援サービス会社を利用する際も、今回の要請を遵守したサービスであることを確認したうえで利用。採用選考活動開始前の早期の段階で採用の内々定を出すことや、「早期選考」などと称して採用選考活動開始前に採用選考活動を実施することは「学生の学修環境に強い影響を及ぼすこととなるので、実施しないこと」と明記している。

 企業などが学期期間中に採用選考活動を実施する場合には、授業・試験・留学・教育実習などと重複しないかあらかじめ学生に確認し、必要に応じた個別的な採用選考日時への変更、土日祝日や平日の夕方の活用、多様な通信手段の活用など、学生の学修環境を損なわない柔軟な対応を要請している。

 大学などに対しては、全教職員が協力し、全学的に申合せ内容の実行に努めるよう要請。学生に対する周知や情報提供に努め、個別の相談や指導などを行い、企業などに具体的な対応を要請する必要がないか確認するなど、きめ細かな支援を行うようあらためて求めている。

《奥山直美》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top