あべ俊子文部科学大臣は2025年4月8日に記者会見を行い、第66回科学技術週間の実施や学習資料「一家に1枚」(テーマ:量子と量子技術)の公表、学校施設のバリアフリー化の課題、学校における防犯カメラの設置について説明した。
第66回科学技術週間は、4月14日から20日にかけて実施される。文部科学省はこの期間に合わせ、学習資料「一家に1枚」(テーマ:量子と量子技術)を制作し、全国の小中学校、高等学校、大学、科学館等に配布している。21枚目となる今年のテーマは「量子と量子技術」であり、量子コンピュータまでの100年を紹介する内容となっている。特設Webサイトや動画も公開されている。
また、科学技術分野の文部科学大臣表彰については、2025年度の受賞者770名が決定し、4月15日に表彰式が行われる。全国の大学や研究機関、科学館でも多数の科学技術週間関連イベントが開催される予定だ。
学校施設のバリアフリー化に関しては、2023年の時点で公立小中学校のバリアフリートイレの設置率が74.3%にとどまっており、2025年度末までの94%という目標を下回っている。文部科学省は、バリアフリー化の推進が必要であるとし、学識経験者等から構成される検討部会を設置し、整備目標の見直しを含めた議論を進めている。2025年度のバリアフリー関連予算は691億円が確保されており、資材費の動向を考慮しながら国庫補助単価の見直しも行われている。
熊本市教育委員会では、学校内に防犯カメラを設置する提案がなされ、モデルケースとして先行実施が検討されている。文部科学省は、防犯カメラの設置については外部からの不審者侵入対策として示してきたが、教室内に設置する場合は児童生徒のプライバシーを考慮することが重要であると述べている。
さらに、地域の産業連携による産業人材育成に向けた有識者会議が開催され、産学官連携による人材育成の取組みや検討状況が議論された。地域特有の産業分野における人材育成や企業と大学の連携による人材育成の仕組みが紹介され、6月に具体化されるプランの検討が進められている。