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不登校調査、6割の教委が課題指摘…文科相3/28会見

 2025年3月28日、あべ俊子文部科学大臣は記者会見を行い、京都大学の柏原正樹教授が2025年のアーベル賞を受賞したことや、油井宇宙飛行士の搭乗機決定、「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の調査項目の在り方などについて説明した。

教育行政 文部科学省
あべ俊子文部科学大臣記者会見録(2025年3月28日)
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 2025年3月28日、あべ俊子文部科学大臣は記者会見を行い、京都大学の柏原正樹教授が2025年のアーベル賞を受賞したことを発表した。また、油井宇宙飛行士の搭乗機決定や、「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の調査項目の在り方などについて言及した。

 柏原教授は代数解析や表現論を含む多岐にわたる成果が評価され、現代数学の発展に貢献したとされる。日本の研究者として初の受賞であり、あべ大臣は柏原教授に電話で祝意を伝えた。柏原教授は「学術研究では、新しいことを作ることが重要」と次世代の若者にエールを送り、若手研究者の受け皿に関する課題意識も示した。文部科学省は研究者が独創的な研究に専念できる環境作りに努めるとしている。

 また、JAXAの油井亀美也宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)への長期滞在を行うことが決定した。2025年7月以降に打ち上げ予定の米国クルードラゴン宇宙船11号機に搭乗する予定で、JAXAからも公表される見込みだ。油井宇宙飛行士は2015年以来10年ぶりのISS長期滞在となり、滞在中には大西卓哉宇宙飛行士と時期が重なるため、2名の日本人宇宙飛行士が同時にISSに滞在することになる。

 さらに、全国都道府県教育長協議会が3月24日に行った調査によると、児童生徒の問題行動や不登校に関する調査項目に課題があるとする教育委員会が約6割にのぼることが明らかになった。従来の調査では不登校の要因が無力感や不安とされていたが、実態が見えづらいという課題があった。2023年度からは不登校児童生徒について把握した事実を回答する形に見直されたが、教育委員会の多くが課題を指摘している。調査項目の見直しに関しては、教師と児童生徒の認識のギャップや複数の原因が複雑に関係していること、本人や保護者への調査が必要であることがあげられている。文部科学省は調査の趣旨や回答方法について、ていねいに説明を続けるとしている。

《吹野准》

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