文部科学省は2025年3月25日、同省の公式YouTubeチャンネルで、動画「すぐにできる校務DX~GIGAスクール構想の下での校務DXチェックリスト~」を公開した。標準的なGIGAスクール環境で、すぐにできる校務DXについて紹介している。
文部科学省が中心となって推進する「校務DX」。同省では、学校や教育委員会が校務DXを推進する際に取り組むことが望ましい項目を整理し「GIGAスクール構想の下での校務DXチェックリスト」を作成。チェックリストに基づく自己点検を学校・教育委員会に依頼し、その結果を取りまとめた。
今回の動画では、2023年度と2024年度の自己点検の結果を比較しながら、標準的なGIGAスクール環境で、すぐにできる校務DXについて紹介。鹿児島市教育委員会教育DX担当部長で文部科学省学校DX戦略アドバイザーを務める木田博先生を迎え、わかりやすく解説している。
全体的なDX取組みの達成率は、学校・教育委員会ともに約5ポイントの伸びが見られた。たとえば、学校では「児童生徒の欠席遅刻相対連絡についてクラウドサービスを用いて受け付け集計している」約17ポイント増、「学校から保護者へ発信するお便りや配布物をクラウドサービスを用いて一斉配信している」約16ポイント増など。
教育委員会では、「教育委員会主催の研修アンケートなどをクラウドサービスを用いて実施集計」が約10ポイント増、「学校との各種事務手続きのペーパーレス化」が約9ポイント増、「次世代型校務支援システムの導入」についても導入済み・導入時期設定済みが約10ポイント増と、着実にDXが進んでいることがわかった。一方で、思うように校務DXが進まない状況もみえてきたという。
DXの取組みが進まない要因は、「学校内で検討する時間がない」「何から着手していいかわからない」「ツールやセキュリティといった環境面が整備されていない」などと、多くの学校がさまざまなボトルネックを抱えているようすがうかがえる。
動画では、DXを進めている学校の事例も紹介。木田先生は「DXを進めるうえで、もっとも重要なのは手順を単にデジタル化することではなく、これまでのやり方や文化の根本的な見直しを測ること」だと明言している。
文部科学省では、校務DXに取り組む際に参考となるような資料「校務DXを促進するための取組に関する参考資料(別紙6)」「校務DXチェックリストの項目に関連する 令和5年度のリーディングDXスクールの実践(別紙6別冊)」を提供。この資料自体が必要な情報に効率的かつ効果的にアクセスできるようになっており、多くの自治体や学校関係者に活用を呼び掛けている。